普通の人生なんてない 1000人中163人という数字

あるTwitterが流れてきました

 

先日、私のフェイスブックにあるツイートのスクショが流れてきました。

 

 

 

 

なるほど、これは面白いデータです。

 

とは言え、ここで紹介するのに、Twitterの投稿を検証もせずに皆様にご紹介するほどリテラシーが低いわけではありません。

 

早速元ネタとなっている『現場で使える教育社会学 - 教職のための「教育格差」入門』(2021, ミネルヴァ書房)を取り寄せてみました。

 

そして、その部分を探してみると、もう少し詳しい図が乗っているじゃありませんか。

 

 

『現場で使える教育社会学 - 教職のための「教育格差」入門』(2021, ミネルヴァ書房), p.187の図を撮影・転載

 

 

さらに本文の中にも「『みんなが選んでいる標準的な進路』はそもそも存在しない」(同p.186)とあります。

 

教育学の教授たちもデータからそう結論づけるのですね。

 

 

確かにこの図を見る限り、僕ら大人が理想とする「普通の道」を通る生徒は、実は1000人中、163人しかいません。

 

しかも、この163人は「現役で4年生大学を卒業して就職して3年以上離職しない人」というくくりですからね。

 

 

163人の大学もさまざまなはずです。

 

高学歴と呼ばれる大学を卒業した生徒となると、半分の80人にも満たないでしょう。

 

 

 

つまり、

 

僕らのような大人が思い描く「いい高校→いい大学→いい会社」というルートを通って、そのままそれが人生の安定・幸せにつながる人なんて、10人に1人もいないということなのです。

 

もちろん、だからと言って学力が低くていいとは思いません。

 

 

ここで伝えたいのは、

学力を高めると同時に、こうした多様化した進路の現実を見据え、いかに自身のキャリアを形成していくか、

そんないわゆるキャリア教育の重要性です。

 

「勉強しろ。この10%に入らないと幸せになれないぞ」というのなら、世の中の90%は不幸せな人になってしまいます。

 

そんなことはないでしょう。

 

 

学力は高める。

 

その上で、多様化した進路のうちどのような進路を進むのか、自分で選択する。

 

そのような価値観を形成しながら、勉強していくことが大切なのでしょうね。