広島県の公立高校入試指導において、
毎年必ず浮上する問題があります。
それはこんな問題。
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中1の時には学力がイマイチだったけど、
その後の努力によって、ガンガン学力をあげて、
中3の時には十分上位生と言えるだけの学力を兼ね備えたけど
内申点に不安があって、
志望校を目指していいかどうか躊躇する問題
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これには毎年悩まされます。
平川教育長の英断によって、
現在(2020年)の中1からは別の制度になりますが、
中2と中3の子にとってはやはり大きな問題です。
ケーススタディー
ここで二人の生徒を仮定してみましょう。
A君(仮名)
中1の時には、学力は平凡で学年末評定 オール3。
中2の途中から努力の成果が出始め、結局中2の学年末評定は 平均オール3.6。
中3に上がってから、定期テストも安定し、学年末評定は 平均4.3。
3年間で学力はめちゃくちゃ上がりました。
ここまでに至る努力は相当なものだったでしょう。
そして、
この場合、広島県の計算方法で、
公立高校入試選抜Ⅱの内申点は、およそ95点(130点満点)です。
偏差値にして、
50 → 64
くらいの上がり方をする子ですね。(宮脇の肌感覚)
一方で、
B君(仮名)
中1の時から比較的高い学力を有し、
その後の努力もあって学力は安定的に推移し、
3年間の内申点は平均オール4.3。
この場合、
選抜Ⅱの内申点はおよそ111点。(130点満点)
いかがでしょうか?
受験時には同じ学力である二人の持ち点は、
16点も差がついています。
どちらもきちんと努力してきた子です。
違いがあるとすれば、小学校時における学力だけ。
大変なのはA君。
今の学力であれば、広島市北部の人気校Y高校に十分合格圏内です。
模試の結果は、そう言っています。
しかし、内申点の低さがA君の気持ちを萎えさせます。
Y高校への合格を確実にするためには、
内申点は105は最低欲しい。
それと比べても10点も足りない。
しかし、もうどうしようもありません。
広島県の内申点比率は、
中1:中2:中3=1:1:1
の均等配点。
中3から内申点を爆上げしても、
それほど変動しないのです。
そう。
広島の場合、
中1の最初から高い学力を有していた子が
絶対的に有利なのです。
おそらく他県の方なら、
「そんなのサクッと学力テストで逆転しろよ」
と思うでしょう。
しかし、広島県の場合、そう簡単にいきません。
なぜなら、入試の基本配点がこうなっているから。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
内申点と学力テストの比率は、ほぼ1:1。
いや。
正確に言うと、内申点が半分以上を占めます。
(他県では、内申点:学力テスト=3:7というところも多いですよね)
何をどう言おうと、内申点を持っている子が絶対的に有利です。
しかも、令和2年度の数学や理科のように、
上位生は25点満点で20点取るのが当たり前の入試問題であれば、
内申点における10点の差は
そう簡単に逆転はできないでしょう。
これまでに一体何人の子が
学力を上げても内申点の低さに悩み、
志望校を下げてきたでしょうか?
個人的には大嫌いです。
この制度。
(言っちゃった…)
だから、平川教育長は大好きです。
ありがとうございます。
だから20%枠がある
しかし、
上に挙げたような問題は、高校側や教育委員会も把握しています。
こうした問題に対処するために、
定員の20%までは各高校の裁量によって自由に配点を変えられる制度を設けています。
進学校は、この20%枠で学力重視の枠を設けていますね。
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