
Moveは公立上位校受験専門塾のはずですが、時に生徒たちの悩み相談所になることがあります。
主に、模試返却の個別面談の時に。
一人10分くらいの時間で予定しているのに、成績の後にする「今、困っていることはない?」の一言から、10分が30分に、1時間に、場合によっては数日にまたがって5時間に…。
まあ、それでいいと思っています。
勉強に集中する場所としての塾を運営していますが、中学生が勉強どころじゃない時なんて、そりゃあ、いくらでもあるでしょう。
そんな悩みを軽くするのも、塾の存在意義として「あり」ですね。
で、先週も面談をしていたのですが、悩みごとを抱えている生徒も何人かいるようで……。
普段元気そうにしている子でも、その裏では悩んでいることがあるのです。
それ本当に欠点?
今日はその中の一人の悩みについてです。
書ける範囲で書きますね。
自分が友達に言ってしまった一言で、悪気はなかったけど、相手を傷つけてしまった。
こういうところが僕(わたし)の悪いところ。
正直、こういうことが他の人でも頻繁に起きるから、自分が嫌になる。
云々・・・。
友人関係に悩むだけでなく、
自分自身を否定してしまう精神状態。
見ていて痛々しい。
でもね、話を聞いていて思うのです。
「それ、短所でなくて、長所じゃん!」
と。
長所を短所と思い込んだら不幸だよ
悪気がないのに人を傷つけてしまうのは、自分ではそのつもりもないのに相手にとってはその言葉が鋭すぎるからです。
自分にとっては鋭くもなんともない、当たり前の言葉だとしても、相手にその感覚がないから傷つけてしまうのです。
相手としては言って欲しくない言葉だったとしても、自分としては当たり前に感じることだから、何気なく口に出してしまったのです。
言葉をよく知っていて、本質的・抽象的に物事を見る癖がある人にはよく起きる現象です。
何気なく言ってしまった一言が、相手の心をザクっと傷つけてしまうことが。
そのいざこざの根本的原因は、相手とあなたの言葉に対する感覚が違うことなのです。
どちらかと言うと、あなたの感覚が鋭いからです。
だから、それは長所。
今やるべきことは、そんな風に自分を否定することではなくて、自分の特徴をちゃんと理解して、それをどうしたら活用できるかということ。
言葉の使い方を学べば、きっとあなたの武器になるんだよ。
そんなことを伝えました。
最初はちょっと驚いた顔をしていましたが、話が終わる頃には明るい顔になってくれたかな。
自分の長所を欠点だと勘違いして、自己否定してもいいことなんかありません。
この子が学ばないといけないことは、そうやって自分を責めることではなく、
自分の才能を自分で認識して、それを生かす方法論を学ぶことです。
あ、友人関係については、謝っておこう。
傷ついた友達にも元気になって欲しいからね。
自分を知ることの大切さ
2023年度から始まる広島県高校入試改革に際して、平川教育長がこう書いていました。
「自己を認識し,自分の人生を選択し,表現することができる力」を測る入試とする。
多くの人がこの言葉を軽く考えているでしょうが、この言葉を正面から受け止めることが子どもたちの幸せに繋がる気がしてなりません。
上の生徒は、自己を客観的に認識できなかったからこそ、自分を否定し、悩んでいたわけで。
違うんだよ。
それは逆だよ。
あなたが自分の長所の使い方を知らなかっただけ。
自分を否定するのでなく、客観的に自分をよく知ろう。
それを踏まえて、教育長のいう通り、「自分の人生を選択し、表現することができる力」を育みましょう。
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