目次

こんにちは、進学空間Moveの宮脇です。
今日は中学生の部活動についてお話ししたいと思います。
先日、中学3年生の息子の部活動大会を応援しに行った経験から、部活動の意義や現状について考えたことをシェアします。
1. 運動と学習の好循環
安佐南区内の中学校で行われた息子の部活動大会。
そこで見た中学生たちが一生懸命にしのぎを削る姿を見て、改めて部活動が中学生の健全な成長の場になっていると実感しました。
必ずしなくてはいけないとは思いませんが、やはり部活はいいですね。
塾の先生が部活を奨励するなんて意外に思われるかもしれませんが、成績を上げるためには、適度な運動は効果的です。
「運動脳」という本の中でも、スウェーデンの例として体育の授業を1時間増やしたら全体の成績が上がったというデータがあります。
運動によって脳が刺激され成長していくというのは脳科学でも定着した考え方のようですね。
また、受験生を指導していて感じるのは、勉強にも体力が必要だということ。
運動を通じて培われる体力や集中力は、机に向かう時間の質を高めてくれます。
中学生や高校生になる皆さんには、バランスを考えながらも、運動を積極的に取り入れることをお勧めしたいと思います。
また、学力に関連することよりも、中学生が団体チームを組んで、互いに励ましあったり、アドバイスしあったりして、目の前の試合に没頭する姿は、素直に素敵な光景でした。
学校や塾で行う座学だけではなく、こうした場を作ってくれる「部活動」があるのは、日本の教育のいいところだと思うのです。
2. 部活動の質の格差問題
とは言え問題点も見えてきました。
特に強く感じたのは、学校によって部活動の文化、厳しさ、練習方法に大きな差があるということです。
同じスポーツでも、非常に強い学校とそうでない学校があり、その差は何によるものなのか考えさせられました。
結局のところ、この差は各学校の文化や雰囲気によるところが大きいのですが、特に指導者の存在が重要だと思います。
積極的に顧問の先生が部活に関わり、技術が向上し、活気のある部の中で練習できる子がいる一方で、
名前だけの顧問の先生の下で、子どもたちがダラダラと遊びながら過ごす部の子達。
部活動が子どもたちの成長の場とするなら、望ましいのは前者です。
ですが、一部の学校でそうでない部が存在することも観覧席から見てとることができました。
いや、勘違いしないでください。
学校の先生の批判をしたいわけではないのです。
例えば、今回も息子の部活には引率の先生が2名ついてきてくれていました。
休日を返上して生徒たちを見守ってくださる先生方には、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
そんなことより、ご自身のプライベートを優先してくださっていいのに、と、保護者の立場からも思いました。
3. 部活動の地域移行と先生方の負担
問題としたいのは、現在、水面下で進行しているのが「部活動の地域移行」ことです。
問題は山積しているとはいえ、文部科学省の意向では2026年8月から地域移行を目指すガイドラインが策定されたはずですが、地域によって進捗に差があります。
例えば兵庫県の神戸市は「コベカツ」という名前で部活動の地域移行に積極的に取り組んでいます。
2026年からは地域移行が一応の完成を見るようで、全国でも最も積極的に取り組んでいます。
一方、我らが広島市はどうかというと、以前教育委員会に問い合わせたところ、せいぜい各学校に土日を見る先生を1人配置する程度の対応で、実質的には何も進んでいないとの回答をいただきました。
結局、部活動という活動そのものが揺らいでおり、その中で先生たちも、子どもたちも制度的に中途半端な中で、それぞれの想いだけで活動しているという現状のように思います。
過渡期であることは仕方ありません。
ですが、方向性はもう決まっているのですから、早く動くべきなのです。
その間、学校の先生方にも負担をしいてしまう。
本当に頭が下がります。
4. 子どもたちのための最適な環境づくり
このような過渡期の状況で最も犠牲になるのは子どもたちです。
私は部活動という制度自体は素晴らしいと思っていますが、それが先生方のボランティア精神に依存している現状には問題があります。
地域移行は賛成ですが、中途半端な状態を早く解消して、あるべき姿を作り上げていただきたい。
地域の一保護者としては、正直なところ、部活動が学校単位でなくても構わないと思っています。
重要なのは、どのような環境で子どもたちの運動を支援し、精神的な成長をサポートしていくかということです。
今後の部活動のあり方について、社会全体でしっかりと考えていく必要があるでしょう。
今日はちょっと提言めいた内容になりましたが、中学生の健全な成長のために、部活動という文化をどう発展させていくべきか、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

進学空間Move塾長
宮脇慎也(Shinya Miyawaki)
27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。
8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。
その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。
1977年生。射手座。B型。
家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。
コメントをお書きください