【インタビュー記事②】寮生活ってこんな感じ!広島商船高専生の1日のスケジュール大公開

目次

画像はAIによって生成されたものです。実際の様子とは異なります。

1. 島での共同生活が始まった

 

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

前回は広島商船高専での学校生活についてお話ししましたが、今回は皆さんが最も気になるであろう「寮生活」について詳しくお聞きしました。

島という特殊な環境での共同生活は、想像以上に充実していて、そして意外な発見もありました。

 

Hくんの表情を見ていると、本当に楽しそうなのです。

「先生、寮生活って最高なんです!」と話す彼の目は、4ヶ月前よりもずっと生き生きとしていました。

一体どんな毎日を送っているのでしょうか。

2. 朝(7:00-8:30)〜時間との戦いの始まり〜

まず驚いたのが、朝のスケジュールです。

寮から学校までは自転車で5、6分という近さなのですが、朝は本当に忙しいそうです。

起床時間は決まっていませんが、朝食は7時から8時まで。

「正直、朝ご飯を食べなくてもギリギリまで寝て学校に行く人もいるんですが、やっぱり朝ご飯を食べないとお腹が空くし、勉強効率が下がっちゃうから」とHくん。

食事はご飯とパンが選べるのですが、時間がないのでパンとコーヒーを取って自分の部屋で食べて準備する人が多いとのこと。

「僕はご飯を食べたいんですけど、正直時間が本当にないので、朝は忙しいです」と苦笑いしていました。

島という環境だからこそ、すべてが徒歩や自転車圏内。この距離感が、普通の高校生活では味わえない独特のリズムを生み出しているようです。

3. 午前〜午後(8:30-14:30)〜大学スタイルの授業〜

 授業は1日3コマ、1コマ90分という大学のようなスタイル。2時半には授業が終わるので、普通の高校生より早い時間に自由時間が始まります。

でも、ここからが本当の忙しさの始まりなのです。Hくんが所属するボート部では、4時半の部活開始までに準備をしなければならず、実質的に休憩時間は2時間しかありません。

4. 午後(14:30-18:00)〜厳格な部活動の世界〜

Hくんはボート部に所属しています。そして、この部活がなかなか厳しい世界でした。

部活は4時半開始ですが、1年生は3時半には練習場所に行かなければなりません。

オールなどの準備をするためです。「もうガチガチの体制ですね」と私が言うと、「本当にガチガチです」とHくんも笑っていました。

準備時間中に先輩が来るまでに準備を終わらせ、艇庫の掃除もしなければなりません。

「鳥の糞が落ちているとか、扉についているとか、そういうことも全部掃除しないと、先輩はよく見ていて、少しでもあったら『1年なのでできない』みたいな感じで注意されます」

この厳しさには理由があります。

今年のボート部は全国大会2連覇を達成した強豪チーム。

「ボート部がある学校数がそもそも少ないので、他の人から見たら『しょぼくない?』と思われるかもしれませんが、実際のレースでは圧倒的な差がありました」とHくんは誇らしげに話してくれました。

基本は4時半から6時までの1時間半、大会前は2時間という練習時間。

そして練習後には筋トレも待っています。「筋肉がないとやっぱり部活ができないので」と、確かに以前より逞しくなったHくんを見て、成長を実感しました。

5. 夕方〜夜(18:00-23:00)〜友達との絆を深める時間〜

7時頃から夕食、その後筋トレを終えると、寮での生活が本格的に始まります。

本来なら8時から10時は自習時間で、他の人の部屋に行かずに自分で勉強する時間なのですが、「せっかく友達が近くにいるので、もうみんな本当に先輩も誰一人、ルールを守っていません」とHくんは苦笑い。

みんな友達の部屋に行って、8時半まで友達の部屋で過ごし、一緒にお風呂に行きます。9時頃まで入浴、帰ってきてスキンケアなどをしていると9時半前。

「今時の若者ですね」と私が言うと、嬉しそうに笑っていました。

残り30分しかないので、本当に課題がやばい時だけササッと済ませる感じ。10時から10時15分まで掃除をして、10時15分に掃除が終わると「巡回まで5分前」というアナウンスが流れます。

先輩や先生が部屋にいるか確認する巡回が終わり、11時が消灯時間。でも実際は、せっかく友達の部屋が近くて遊べるので、学校生活に支障が起きない程度まで起きていて、眠くなったら自分の部屋に帰って寝るという生活をしているそうです。

6. 忙しくも充実した毎日の中で感じる成長

一方で、勉強面での課題もあります。現在12教科もあり、中学時代の9教科から3教科も増加。

「塾に行っているときは勉強時間なんてもうめちゃくちゃ取れたけれど、今は勉強時間がマックスで8時から10時、勉強できても2時間しかありません」

友達と過ごす時間が楽しい反面、十分な勉強時間の確保が難しい現実もあります。

でも、テスト期間中はきちんと自分の部屋で勉強するメリハリもつけているそうです。

それでも、Hくんの表情からは充実感が溢れています。

厳しい部活動、楽しい友人関係、恋愛、そして専門的な学習。

すべてがバランスよく組み合わさった、他では絶対に体験できない濃密な時間を過ごしているのです。

洗濯も自分でやらなければならず、「最近は2日に1回とか、本当に毎日やる元気がない」と笑いながら話すHくん。

でも、そんな些細な苦労も含めて、すべてが新鮮で楽しい経験になっているようです。

島での寮生活は、確かに制約もありますが、その分濃密な人間関係と、自立心を育む最高の環境のようです。

普通の高校では決して味わえない、貴重な体験をしているHくんが少し羨ましくもありました。

次回は、Hくんが所属するボート部の厳しい世界について、より詳しくお話しします。

全国2連覇の裏側にある厳格な上下関係と、それを支える責任感について掘り下げていきたいと思います。


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。