なぜ海外大学を目指すのか?K君が語る日本への違和感と進路選択の理由

目次

1. 海外進学への強い想い

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

今回は恒例企画となりましたインタビュー記事です。

広島大学附属高校3年生のK君にインタビューをさせていただきました。

K君は中学3年生の春から1年間、当塾に飛び込んできた生徒です。

正直に言うと、彼は最初から抜群に「できる子」でした。

偏差値70をいきなり取ってしまうような、そんな子だったのです。

でも、そんな優秀な彼がなぜ海外大学を目指すのか。

多くの同級生が日本の大学を目指す中で、彼はなぜ違う道を選んだのか。

その背景には、現代の高校生ならではの日本社会への鋭い洞察がありました。

これから4回にわたって、K君のインタビューを掘り下げていきますね。

きっと多くの保護者の方々にとって、優秀な生徒がどんなことを考えてこの道を選んだのか、その話には示唆に富んでいると思います。

 

2. 中3で芽生えた海外への憧れ

「海外の大学に進学したいと思ったのは中3の時からです」とK君は振り返ります。

多くの中学生が高校受験に集中している時期に、なぜ彼は海外に目を向けたのでしょうか。

その理由を聞くと、予想外の答えが返ってきました。

「正直に言うと、日本があまり好きではないというのがあります」

 

一体どういうことなのか、さらに詳しく聞いてみました。

「中3の前からずっと思っていたのですが、日本には自己主張をあまり良しとしない文化があると思うのです。

そういうのが性格的に合わないというか、もっと自己主張したいと感じていました」

なるほど、これは現代の中学生らしい率直な意見ですね。

優秀だからこそ見えてくる視点もあるのでしょう。

さらに彼は続けます。

 

「それと、日本は保守的すぎるというか、変化を好まない傾向がありますよね。

何かを主張して変化を起こそうとすると、それを良しとされない雰囲気があって、それが気に入りませんでした」

 

3. 将来を見据えた冷静な判断

個人的な価値観の違いに加えて、K君は日本の将来についても冷静に分析していました。

「中3になってから宮脇先生も再三言われていたのですが、日本は少子高齢化が進んで、どんどん衰退していく国だということです。

だから日本で活躍するだけでは不十分だと思いますし、自分の性格にも合わない。

それなら海外で活躍できる人になりたいと思って、海外大学への進学を考えるようになりました」

確かに私も当時(今も)、日本の将来について話していました

彼がそれを真剣に受け止めて、自分なりの答えを出していたとは。

偏差値70という数字だけでなく、こうした深い思考力こそが彼の真の実力だったのだと、今になってよくわかります。

4. うちの塾を選んだ理由に見る判断力

実は、K君が当塾に来た理由も、彼の優秀さと判断力をよく表しています。

「Moveを選んだのは、授業が少ないというのが魅力でした。

学校の授業で分かるのに、塾って結構みんなで授業をやっているイメージがあって、それいるかなと思っていました。

個別演習というところに惹かれて、勉強量は足りないけれど授業は欲しくないなと思ったので」

すでに基礎学力が十分にある子だからこその選択眼ですね。

自分に必要なものを冷静に判断する能力が、中学生の時から備わっていたのです。

5. スイスからアメリカへの現実的な進路変更

当初の進路希望について聞いてみると、意外な変遷がありました。

「最初はスイスも考えていたのですが、高校に入って第二外国語でドイツ語を始めてみたら、このペースでは絶対に無理だなと思って、早めに諦めました」

これも優秀な生徒ならではの現実的な判断ですね。

そこで英語圏に絞って検討したそうです。

「多文化・多民族国家と言えば、オーストラリア、イギリス、アメリカぐらいですが、一番教育が優れているのはアメリカだと思いました。

ただし経済的にアメリカは高いという話をずっと聞いていましたし、入学審査に必要なエッセイなどが大変だということもネットで知っていたので、一時期はオーストラリアの方がいいかなと考えていました」

ところが最終的にアメリカを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

「アメリカの大学でも手厚い給付奨学金が出る制度があることを知って、その団体を利用してアメリカの大学に行こうと決めました」

経済面でもしっかりと道筋をつけているところが、さすがですね。

次回は、なぜ基町高校ではなく附属高校を選んだのか、そして附属高校での充実した学校生活について詳しくお伝えします。

偏差値70という数字の裏にある、K君の深い思考と強い意志。

こうした生徒の考え方を知ることで、保護者の皆さんにも何かヒントになることがあるのではないでしょうか。

 


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。