【K君インタビュー記事③】驚異の英語力を育んだ家庭環境と学習法~K君が語るゲーム機なし・テレビ制限の教育効果~

目次

1. 東京外大志望者中全国6位の実力

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

4回シリーズでお届けしているK君インタビューの第3回目です。

前回は附属高校での充実した生活と、彼の驚異的な実行力についてお伝えしました。

今回は、多くの保護者の方が最も関心を持たれるであろう、K君の英語力向上の秘密に迫ります。

 

実は彼の英語力は本当に驚異的なのです。

お母さんの話によると、「正直、英語以外は何も勉強していない」ようですが、ある模試では英語の実力が東京外国語大学を志望した人の中で全国6位を記録し、偏差値は80も超えているみたいです。

一体どのような環境と学習法が、このような圧倒的な英語力を生み出したのでしょうか。

2. お家としての特殊な教育方針

K君の英語力の秘密を探るため、まず彼の家庭環境について聞いてみました。

その答えは、多くの保護者にとって驚きであり、同時に深く考えさせられるものでした。

 

「まずうちにはゲーム機がないです。ゲームはないです。SwitchもDSも何もないです。ちっちゃい頃からテレビは全然見れない」

 

最近ではたまに聞くものの、10年以上前からというのは非常に珍しいですね。テレビについても興味深い話が続きます。

 

「テレビはあったけど、夜中にお父さんが見るもんだと思ってました。お母さんは僕たちと一緒に、同じリズムで生活してたんで、僕らが寝るときには寝てたんで。なんか夜中起きたらリビングでお父さんがテレビ見てて」

 

それでは子どもたちは全くテレビを見なかったのでしょうか。

 

「土曜日と日曜日のちょっと15分ぐらいですかね。決まった番組を、NHKの決まった番組だけを見るっていうのが、小学4年生・5年生、広島に引っ越してくるまでは完全にそうでした」

3. 子どもたちの反発と段階的な変化

このような環境で育った子どもたちが、他の家庭との違いに気づかないはずがありません。

「だんだんと『あれ、なんかうちのおうちおかしいぞ』というか『他と違うぞ』と気づきますよね。テレビ見たいとかゲームやらせてよとか、普通はそうなるでしょ?」と私が聞くと、K君は「はい。なりました」と答えました。

では、そこからどのような変化があったのでしょうか。

「それは今はスマホ持ってますしテレビも見れるんで、だんだん緩くなっていった感じですね。

僕たちの主張に耐えられず、どんどん。

お母さんがお出かけしたらみんなでテレビを見てたんですよ。帰ってきたら『帰ってきた』って言って消して。

そういう感じだったんで、そういうのが続いて、どんどん緩くなっていった感じです」

なんとも微笑ましいエピソードですね。お母さんと直接対立するのではなく、合理的に対処していたところが、K君らしい判断力を表しています。

4. 洋楽との出会いが英語力の基盤に

では、このような環境で、なぜ英語力が飛躍的に伸びたのでしょうか。

その答えは意外なところにありました。

「洋楽をずっと聞いてたのは少なからずあるのかなと思います。

邦楽はほとんど聞かないですね。ちっちゃい頃に、お父さんが車の中で洋楽をずっと流してて、聞こえるままカタカナで歌ってたりしてて。そっから始まって」

具体的にはどのようなアーティストを聞いていたのでしょうか。

「めっちゃ有名なチャーリー・プスとか、マルーン5とかボン・ジョヴィとかです。クイーンとか」

お父さん世代が好きな洋楽を、幼い頃から自然に聞いていたのですね。

「お父さんの好きな洋楽をずっと適当に歌ってたのが始まりで、家に洋楽のCDがちょっとあったので、それを小学校・中学校時代はよく聞いて、スマホをもらってからはそのまま、もらってからもずっとアプリで洋楽聞いてますね。

それは多少あります」

5. 読書習慣がもたらした言語能力

洋楽だけでなく、もう一つ重要な要素がありました。

「あとはやっぱりちっちゃい頃から本はめっちゃ読んでたんで、そういうのは国語にも通じると思うんですけど、英語だけじゃなくて、そういうのでそのインプットの能力は、特に読む力は鍛えられたんじゃないかなとは思ってます」

なるほど、テレビやゲームがない環境だったからこそ、読書に集中できる時間が自然に生まれていたのですね。

そして興味深いのは、K君の兄弟も皆優秀だということです。

「お家としての特徴って何かありますか」と聞いた時の、お母さんの謙遜ぶった反応「そんなことないです、あはは」を思い出しながら、K君にさらに詳しく聞いてみました。

6. 当塾での「英語を英語のまま理解する」指導法

K君が当塾で学んだ1年間で、特に印象に残っている指導について聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

「英語を英語のまま理解するっていうのを宮脇先生が繰り返しおっしゃられてたと思うんですけど、そこは今も大事にしてて。英語するときには日本語は使わないように、単語も類義語とかイメージとかで覚えるようにしてて。そしたらやっぱり読むスピードとか、リスニングで聞いてから理解するまでのスピードとかは抜群に速いですね」

これは私が当時から一貫して指導している方法ですが、K君がそれを今でも実践し続けていることを知って、本当に嬉しく思います。

7. 現在の英語学習法

高校生になった現在も、K君は独自の英語学習法を続けています。

「ずっと英語に触れるようには意識的に過ごしています。

例えば、スマホも英語にしてて、映画とかも英語で見て、最近はもう、日本語字幕じゃなくて英語字幕・英語音声で、できるだけ字幕を見ずに見て。あと英語でハリー・ポッターとかも読みましたし」

この学習法は実に理にかなっています。

「英語圏のちっちゃい子とかが英語を習得するのを意識して、そういうのを真似してやってみようと思って、その日本人が受ける英語教育じゃなくて、英語圏の人が受ける英語教育、ちっちゃい子がいるようなのを、やるふうに身につけていけたらいいなと思って」

これこそが、真の語学学習法だと思います。

保護者の皆さんにお伝えしたいのは、K君の英語力は決して特別な才能だけで身についたものではないということです。

幼少期からの継続的な英語環境、読書習慣、そして何より「英語を英語のまま理解する」という正しい学習法の実践が、この驚異的な結果を生み出したのです。

次回は最終回として、K君の学問的興味の変遷と、附属を目指す後輩たちへのメッセージをお伝えします。

量子力学から哲学へと興味が移った背景には、彼らしい深い思考がありました。

そして、この特殊な家庭環境で育った彼が、どのような未来を描いているのか、その全貌をお届けします。


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。