学習塾倒産過去最多ペース〜生徒たちが予測する15年後の塾の姿〜

目次

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

今日は、この秋に発表された学習塾業界のニュースについてお話ししようと思います。

毎年この時期になると出てくる記事なのですが、学習塾の倒産が過去最多ペースであるというニュースです。

Yahoo!ニュースにも掲載されていたので、ご覧になった方も多いかもしれません。

1. 学習塾倒産が過去最多ペース〜業界の現状〜

2025年9月の段階で、37の学習塾が法的整理による倒産をしたということです。

去年も「過去最多」という記事が出た記憶がありますし、その前も同じような見出しを見た気がします。

コロナ禍の時期は意外に倒産が少なかったのですが、おそらく補助金のおかげでしょう。

コロナが明けてから、こうした倒産が増えてきた形です。

学習塾業界に身を置いている人間としては、明日は我が身という気持ちもあります。

今のところそういう予定はありませんが、気を引き締めていかないとなと思っています。

2. 少子化本番はこれから

この倒産増加の原因は、一般的には少子化によるものだと言われています。

ところが実は、今の段階での少子化はまだまだ緩やかなのです。現在の中学生・高校生で言うと、日本全国で年間1万人ずつ減っている程度です。

しかし、今の小学6年生あたりから、年間2〜3万人ずつ人口が減っていくのです。

つまり、少子化本番としての学習塾の淘汰は、これからが本番だと予測しています。

自分が所属している業界がどんどん縮小していくというのは嫌なものですが、これが現実なのでしょう。

3. 生徒たちが予測する15年後の学習塾

さて、そんな状況を子供たちはどう受け止めているのか。

目の前で勉強していた20人弱の中学生と高校生たちに、雑談の時間に聞いてみました。

 

お題は「15年後、今より40万人も子供の数が減った時、学習塾はどうなっていると思う?」です。

結果は意外なものでした。17人のうち、学習塾が本当になくなると答えたのは2人だけ。

残りの15人は、表現は違えどほぼ同じことを言っていました。

 

「浪人生を対象とする予備校や、学校に合わなかった子たちを見る塾は残るけれど、一般的な一斉指導塾や個別指導塾は数を大幅に減らし、塾の形は大きく変わっていくだろう」というのです。

 

つまり、教えてくれる塾ではなくて、「Moveのような勉強しやすい環境を与えてくれる塾に変わっていくんじゃないか」というのです。

子供たちに必要性を感じてもらえているのは本当に嬉しいですね。(Moveの生徒だからと言うバイアスはかかっていると思いますが)

さらに子供たちは冷静にこう言っています。

「ただ教えてくれたり、質問に答えてくれたりするのは、もうAIや動画に取って代わられるんじゃないか」と。

そう。

もう今でも、AIはかなりのレベルに来ています。

これから一気に変わっていくでしょう。

それを使って子供たち自身が自律的に勉強していく、そういう仕組みに変わっていくのではないか。

だから「教えてくれる塾」はもうあまり必要ないのではないか、と子供たち自身が言うのです。

4. 時代に対応した学習環境を

さすが、うちの生徒です。僕が目指しているところ、予測しているところ、そして対応しているその意味を理解してくれているのだと思います。

世の中がこのように動いていくのかどうか、正直なところ誰にもわかりません。

ただ一つ言えるのは、時代がどう変わろうとも、子供たちが自分の力で学び、成長していける環境を整えることが私たちの役割だということです。

AIが進化しても、動画授業が充実しても、子供たちを見守り、励まし、寄り添う存在は必要じゃないでしょうか。

Moveは"教える塾"ではなく、"学ぶ力を育てる塾"として、時代を先取りしていきます。

これからも子供たちにとって最高の学習環境を提供していきたいと思います。


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。