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8月6日に生徒に伝える話

今日は8月6日。

 

1945年の8月6日8時15分に

原爆が落とされてから78年が経ちました。

 

広島という街に住んでいる以上、

この日にはやはり思うことがあり、

毎年、平和という観点から

勉強する意義を生徒に説きます。

 

 今日はそんな話をFBにも記しておこうと思います。

以下は、僕が毎年8月6日に生徒に伝える話です。

 

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

例えば、小学1年生くらいの子どもたちに、

 「戦争ってどう思う?」と聞くと、

 ほとんどの生徒が、

 「やだー!」「いけないことだと思う」

 と、答えます。

 

そこで、

「じゃあ、戦争をなくすためにはどうしたらいい?」

 と聞くと、

「みんなが仲良くすればいいと思う」

 という答えが返ってくるそうです。

 

もちろんその気持ちを

否定するものではありませんが、

実際にそれができないから、

戦争は起こるのです。

平和を願う気持ちは尊いものなのだけど、

それだけでは足りない。

 

一方で、これと同じ質問を、

上位大学生、あるいは大学院生に聞くと、

それぞれの専門的見地から、

戦争をなくすための

具体的な意見が出るそうです。

(あくまで上位の大学生及び大学院生です)

 

経済学を専門とする学生からは、

経済的見地から現在の世界経済の問題点を指摘し、

 

政治学を専門とする学生からは、

政治学見地から世界のパワーバランスを論じつつ、

戦争をなくすための方策を述べ、

 

工学を学ぶ学生は、

先端技術を用いて兵器の脅威から人を守るための技術を提案し、

 

医学を学ぶ者は、医者の卵として、貢献できる行動について述べます。

 

つまり、

学問を究めれば究めるほど、

専門性が磨かれ、

上のような漠然とした質問にも

それぞれの立場から具体的意見を

出せるようになるということです。

 

勉強する意義の一つがここにあります。

 

小学生の頃に感じた平和を願う気持ちを

具体的に行動に移すヒントが学問にはあるのです。

 

さらに踏み込んで言えば、

勉強を進めた先で専門性を身につけるということは、

普通の人ではなかなか真似できないものを

世の中に提供できるようになる、ということ。

 

その意味で、

究められた専門性は、個性に似ている。

 

だから、

勉強を進めるというのは「個性を磨く」のと同じ意味を持ちます。

 

もちろんその個性が活躍する場所は、

平和貢献にとどまりません。

 どの分野でも構いません。

 

 せっかくこうやって勉強しているのだから、

単に入試に合格するためだけにではなく、

個性を使って、あなたしかできない方法で

世の中に貢献するために

勉強して欲しいと願っています。