広島市内高校入試の倍率傾向分析 〜市内六校と周辺校の差〜

目次


1. 広島市内高校入試の明確な二極化傾向

 

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

 

広島市内の高校入試状況には、ここ数年はっきりとした傾向が見られます。

 

いわゆる「市内六校」(国泰寺、基町、舟入、広島皆実、井口、観音)の倍率が非常に高く、それ以外の周辺地域にある高校は比較的倍率が低いという明確な二極化です。

 

この傾向は昨年度入試に限らず、一部の例外を除いて、近年一貫して続いています。

 

広島の中学3年生の皆さんにとって、志望校選択の際に無視できない重要な情報といえるでしょう。

 

2. 市内六校の高倍率状況を詳細分析

昨年度の最終倍率を見ると、市内六校はいずれも高い倍率を記録しています。

 

特に国泰寺高校は普通コースが1.72倍と突出していました。

 

理数コースでも1.23倍を記録。

 

基町高校は最終的に1.13倍まで下がったものの、発表当初は1.34倍。

 

舟入高校は1.36倍、広島皆実高校は1.60倍、井口高校は1.23倍、観音高校は1.51倍でした。

 

高校入試において1.5倍前後という倍率は相当に高く、市内中心部の高校はのきなみ合格のハードルが高いことを示しています。

 

 

3. 周辺地域高校の倍率と受験戦略

一方、広島市安佐南区などの周辺地域の高校は明らかに倍率が低くなっています。

 

例えば安佐南区では、

沼田高校が1.29倍と最も高く、

祇園北高校が1.17倍、

理数科にいたっては0.83倍、

安古市高校が1.14倍、

安西高校に至っては定員80名にも関わらず0.78倍でした。

 

安佐北区でも高陽東高校が1.33倍である以外は、

高陽高校が1.00倍、

可部高校は0.89倍と、

市内六校と比較して非常に低い倍率となっています。

 

この倍率差は受験戦略に大きく影響します。

 

例えば安古市高校ではボーダー偏差値が60(広島県内全県模試)とされていても、実際には57程度の偏差値でも合格できるケースが多くなっています。

4. 偏差値と合格可能性の現実的考察

一方で、国泰寺高校はボーダー偏差値が62と設定されていますが、実際には62では合格が難しいのが現状です。

 

ましてや偏差値60程度での挑戦はかなりリスクが高く、安心して合格を狙うなら偏差値65程度は欲しいところです。

 

偏差値65となると、もはや基町高校や舟入高校といった偏差値上位校を目指せるレベルですが、それほど高い水準の生徒が国泰寺高校に集中しているのが現実です。

 

このような状況を踏まえ、志望校選択では自分の実力と各校の倍率をしっかり考慮することが重要です。

 

また、年度によって倍率が変動することもあるため、最新情報の確認も欠かせません。

 

自分が本当に行きたい高校を目指しつつ、倍率も含めた現実的な戦略を立てることをお勧めします。


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。