「勉強ができることと人としての価値は同じではない」という意見について

目次

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

今回は大切なテーマについてお話しさせていただきます。

「勉強ができることと人としての価値は同じではない」という意見について、私なりの考えをお話ししたいと思います。

この話題は、Moveの、そして私自身の子どもたちに対する根本的な立場や考え方に大きく関わる重要な内容です。

実は先日、Facebookで成績自慢をした際にいただいたご意見がきっかけとなり、この問題について深く考える機会をいただきました。

1. Facebook投稿から始まった議論

ことの発端は、私がFacebookで生徒たちの成績について投稿したことでした。

うちの3年生18人の平均偏差値が61.5という上位13〜14%の位置に達したことなどを、誇らしく投稿させていただきました。

子どもたちが数字を上げるために頑張った努力を、多くの方に知っていただきたかったのです。

ところが、そこでこのようなご意見をいただきました。

 

「偏差値ってそんなに重要でしょうか。個人的には偏差値の高さがその子の価値ではないように思います」という内容でした。

正直なところ、この手の意見について私は大嫌いで、少々熱くなってしまい、長文で返答してしまったのですが、その方は冷静に議論を続けてくださり、大変有意義な対話となりました。

しかし、この「偏差値や学力の高さと人としての価値は別物」という意見は、教育現場にいるとよく耳にする言葉なのです。

2. 勉強ができる子が置かれている現実

この意見について、私の考えを率直に申し上げると「そりゃ、そうだ」です。

勉強ができるできないと、その人の人としての価値は全く関係ありません。

私が勉強ができる子や高い偏差値を出した子を褒めたからといって、勉強が苦手な子の価値が低いなどと言っているわけではありませんし、成績優秀な子が人としての価値が高いと主張しているわけでもありません。

そんなことは前提なのです。

しかし、ここで考えていただきたいのは、サッカーが上手な子が全国大会で優勝したとき、ピアノやバイオリンが世界レベルに上達した子がいたとき、その子に向かって「人としての価値とスキルは結びついていないからね」と言うでしょうか。

なぜか勉強ができる子に対してだけ、このような言葉が投げかけられることが多いのは、不思議な現象だと感じています。

実際に、勉強ができる子は意外に褒められません。

「そんなことができても意味があるのか」

「才能があるだけでしょう」

「人生の役に立つのか」

といった言葉を浴びせられることがあります。

『勉強できる子卑屈化社会』(前川やすたか著、2016年)という本でも指摘されているように、勉強ができる子は周囲から認められにくく、やっても褒められない、認められないことを続けるストレスから、次第に勉強への興味を失ってしまうケースが少なくありません。

私自身も中学生の頃、そのような経験をしました。

3. 安心して勉強できる環境づくり

特に公立中学校などでは、真面目に勉強することがかっこ悪いとされる風潮があることも事実です。

授業妨害をする生徒が「みんなが笑ってくれるから」と言うことがありますが、実際にはクラスの半分程度は笑っていても、残りの半分は授業が止まることに嫌気を差している場合が多いのです。

そのような状況の中で、私たちMoveが大切にしているのは、勉強したい子、勉強ができる子が安心して学習できる場を提供し続けることです。

勉強ばかりしていると後ろめたい気持ちにさせられたり、

「子どもらしくない」

「そんなことをしてどうするのか」といった言葉で傷つけられることがないよう、安全で安心な学習環境を作り続けたいと考えています。

4. 子どもたちの夢を支えるために

Moveでは、勉強をきちんとやることがかっこよく、素敵なことだと考えています。

そして、勉強ができるようになったからといって、その子の人としての価値が上がったり下がったりするとは全く思っていません。

ただし、この社会で自分のやりたいことを実現するため、例えば医者になりたいのであれば当然それなりの学力が必要になります。

そのような夢を持つ子どもたちが、安心してその力を磨ける場を提供し続けることが、私たちの使命だと感じています。

もちろん、勉強が苦手な子が、勉強というみんなが取り組むべき分野でのできる・できないによって自分が否定されたような気持ちになることも理解しています。

しかし、そのような子どもたちを保護したいがために、勉強ができる子を否定するような言葉は、できれば慎んでいただきたいと思います。

すべての子どもたちが、それぞれの得意分野で輝けるような社会であってほしいと願っています。

本気で勉強する場所が欲しいという人は、この画像をタップしてくださいね👇


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。