令和7年度広島県高校入試英語分析~得点分布から見える課題と対策~

目次

1. 令和7年度英語入試の結果概要

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

発表された令和7年度広島県高校入試について、英語の結果を詳しく分析してお話ししようと思います。

今年度の英語平均点は50点満点中21.4点となり、令和6年度の24.1点から2.7点下降しました。

数値だけを見ると難化したという印象を受けますが、実際には平均点以上に注目すべきは得点分布の特徴的な変化です。

この分布こそが、英語という科目の現状を物語っており、受験生の皆さんにとって重要な意味を持っています。

 


2. 得点分布に見る英語の現状


英語の得点分布を詳しく見てみると、他の科目とは明らかに異なる特徴的な形を示しています。

最も多いボリュームゾーンが6点から10点の低得点帯に集中し、そこから右下がりになだらかに分布している状況です。

これまでの英語入試では、いわゆる「二極化」が進んでいると表現してきました。

つまり、できる子は非常に高得点を取り、できない子は低得点に留まる一方で、中間層が薄くなるM字型の分布を示していたのです。

しかし、今年の結果を見ると、高得点を取れる受験生の数が減少してきているように感じられます。

新しい教科書が導入されて5年が経過し、その影響が徐々に現れているのかもしれません。

いずれにせよ、他の科目と比較すると依然として差がつきやすい科目であることに変わりはありません。

特に上位校を目指す受験生にとって、英語ができないということは致命的な弱点となります。

入試において大きく差をつけられてしまう可能性が高いからです。

3. 正答率から見える英語学習の課題


正答率の詳細を分析すると、極端に低い正答率を示している問題には明確な傾向があります。

例えば、正答率6.1%の大問4や、正答率が10%以下の複数の問題は、すべて英作文に関連する問題です。

リスニングの問題であっても、聞いた内容を英語で表現する必要がある問題では正答率が大幅に下がっています。

この結果から、英語学習には明確に二つの段階があることが分かります。

第一段階は「英語をしっかりと読んで理解する」こと、そして第二段階は「英語で表現する」ことです。

現在多くの受験生が第一段階でつまずいている子が多く、それを突破しても第二段階をクリアしている子はほとんどいないということになります。

英語学習の難しいところは、「この問題ができるようになれば何点上がる」といった単発的な対策では根本的な解決にはならないということでしょうか。

現在完了形をマスターしたから得点が上がるというような、部分的な理解では通用しないのです。

英語を読み、聞いて理解し、そして英語でそれを表現できることこそが、真の英語力なのです。

4. 効果的な英語学習法とMoveの取り組み

では、どのようにして英語力を向上させればよいのでしょうか。

繰り返しになりますが、残念ながら、ピンポイントで「これをやっておけば大丈夫」という魔法のような方法は存在しません。

もちろん、毎年出題される決まりきった熟語表現や構文はありますが、それだけでは不十分です。

英語学習においては、結局、物量作戦で取り組むことが最も効果的だと考えています。

しかし、やみくもに英語を書き出すなんていう方法はお勧めしません。

 

すべきことは、良質な英語にたくさん触れ、単語を文章の中で覚え、しっかりと理解し、声に出して音読することを徹底する。

そして、基本的な英文をどれだけ正確に書けるかをマスターすることが重要なポイントになります。

 

特に重要なのは音読です。

Moveでは「速読英単語 中学生版」を使用していますが、リスニング力と音読は密接に関連しており、聞いて声に出すという語学学習の基本法則を実践することで、総合的な英語力が向上します。

毎年Moveの生徒たちの英語平均点が高いのも、こうした基礎に忠実な指導を継続しているからだと自負しています。

小手先のテクニックではなく、論理的かつ総合的に学習量を増やしながら英語をマスターしていく、そのようなアプローチを大切にしています。

量を増やしながら学習を進める際の最大のポイントは、やはり音読にあります。

しっかりと取り組んでいただければ、必ず結果につながるはずです。

応援しています。頑張ってくださいね。

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進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。