1から分かる広島県公立高校入試

1から分かる広島県公立高校入試①

プロローグ〜広島公立上位校に合格するために〜

 

各都道府県で高校入試の制度は異なります。

県外から広島に引っ越してきた方にとっては、前の県での常識が通用しないこともあります。

特に広島県の公立高校入試の仕組みは、中1の最初からきちんと知っておいた方がいいです。

なぜなら「受験は3年生になってから」と言っていられない事情が広島にはあるから。

 

それは一体何か?

 

このシリーズでは、広島の公立高校受験システムを初めて知る人を対象に、その特徴を説明していきます。

選抜Ⅰと選抜Ⅱ

 

広島公立高校入試には、選抜Ⅰ(推薦入試)と選抜Ⅱ(一般入試)があります。

普通科の高校なら、その定員割合は2:8。選抜Ⅰが2割で、選抜Ⅱが8割。

 

ですから、ほとんどの子はまず選抜Ⅱでの合格を目指すのが普通です。

 

そこで、ここでは、まず選抜Ⅱについて説明していきますね。

選抜Ⅱ(一般入試)

 

選抜Ⅱはいわゆる一般入試。

 

内申点と5科目の学力テストで合否が決まります。

 

その得点配分は以下の通り。

 

 

え!本当?(@_@)

 

 

と、驚いてくださいね。

 

 

内申点が半分以上を占めているのです。

 

 

これは、日本でトップクラスで高い割合です。

大阪府や神奈川県ほかでは、各高校が内申点と入試得点の比重を選ぶようです。(いわゆる進学校は学力検査の比重を高くしている)

 

ですが広島の場合、ほぼ全ての普通科高校がこの130点:125点の得点配分で選抜Ⅱ定員の75%の合格者を決めます。

 

 

 

ですから、私は生徒たちに、

 

「3年生の3月、入試が始まった時点で勝負の半分以上はついている」と伝えています。

 

誇張ではなくて、事実、そうなのです。

内申点の算出方法

 

では、その内申点はどうやって算出するのでしょう?

 

下の図をご覧ください。

内申点は各学年の学年評定を使って算出します。

 

学年評定とは、年度の終わりにもらう1年を通じての評定のことです。

通常、5段階評価。

 

内申点の計算では英数国理社の主要5教科の得点に、実技4教科を2倍した数値を合計します。

 

すると、1つの学年で65点満点の得点が出てきますね。

3学年分を合計すると、195点満点。

 

最後にこの195点満点に2/3をかけて、無理やり130点満点にするのです。

 

通常、この130点満点の数値を内申点と呼びます。

 

なぜ2/3をかけるのか?

 

よく分かりません。笑

 

「学力テストとのバランスを取るため」と言われていますが、別の方法はいくらでもありますからね。

 

いずれにせよ、この算出方法で大事なのは以下の2点です。

 

 

 

① 実技4教科の得点が2倍になるということ。

② 中1と中2と中3の内申点の比重が1:1:1であること。

 

 

①については、特に問題ないでしょう。

 

実技教科も大事ですから、きちんと取り組みましょうね。

もちろんテスト勉強だっておろそかにしてはいけませんよ。

という話に落ち着きます。

 

しかし、②については、これはしっかりと認識しないといけません。

 

中1の内申点と中3の内申点が同じ扱いなのです。

 

他県では、中1の内申点は高校入試に関係ない(神奈川県ほか)や、中3の内申点だけ考慮する(愛知県ほか)や、あるいは、中1:中2:中3=1:1:3で計算する(大阪府ほか)など様々な方法が採用されている中で、広島は中1も中2も中3も同じ比重で計算します。

しかも、ほぼ全ての高校で、内申点が学力テストよりも比重が高い130:125の得点配分を採用しているのです。

これが広島県の公立高校入試の基本です。

 

つまり、

 

広島は全国でも屈指の内申点重視、それも中1からの内申点重視県なのです。

 

 

この入試システムを知らないまま、中1や中2の勉強をないがしろにすると、中3になった時に後悔すること間違いなしです。