目次

1. 半年で閉鎖した塾との出会い
こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。
今日は子供たちの話から少し離れて、先日体験した出来事についてお話しさせていただきたいと思います。最終的には大事なところにたどり着くと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
先日、Moveから離れた場所にある塾さんから連絡をいただきました。教室を閉じることになったので、備品等が必要でしたら引き取ってくださいというお話でした。そこで詳しく聞いて驚いたのです。なんと、今年の1月に開校され、6月に閉鎖。実に半年で塾を閉じられたのです。
私自身も生徒4人から塾を始めて、どうにかこうにか12年13年やらせてもらっている状況ですので、この話は人事ではありません。その塾長先生のお気持ちを考えると、本当にたまらないというのが正直なところです。
2. 見えてきた準備不足の実態
ただ、いろいろお話を聞いてみると、どうも準備不足だったのかなということが見え隠れします。半年で教室を閉じなくてはいけないほどの状況で立ち上げているのもそもそもの問題でしょうし、教室を見させてもらったのですが、半年でなくなる塾にしては設備や備品が非常に良いものが揃いすぎているのです。経費のかけすぎです。
そもそもこの塾は一体誰のための塾なのか、どういう塾なのか。
これらも塾を立ち上げるときに考える要素として必要だと私は思っているのですが、それらをしっかりと考えた形跡がなかったです。
おそらく誰からもそうしたことを教えてもらっていない、あるいは相談していないというのが一番の大問題だったのだろうと思います。
知らない人間だとしても、メール一本でも私にくれたらいくらでも相談に乗ったのに。本当にもったいないことをされたなと思います。

3. 教育者としての責任を問い直す
これは、ひょっとしたら私たち教育者の問題の可能性もあるなと正直思っています。
勉強を教えるのが私たち塾の人間の役目だとは心得ているのですが、実際にいつか自分が独立したときに最低限必要な会社の立て方や企業の立て方は誰も教えてないのです。
大学でもほぼ教えてもらってないですよね。
その先生は他の塾から独立されたと伺っているのですが、塾の先生ですから勉強はできるわけです。
ですが、実際に自分が塾を立ち上げようというときに、そこらあたりの知識を何も持っていなかった。
勉強ができたかもしれないけれど、生きる力や自分で自律的に生きる力に関しては厳しい状況だったと言わざるを得ないわけです。
そうしたことって、大人が伝えておかないといけない気がするのです。
4. 子供たちに伝えたい「生きる力」とは
自分がどうやって具体的に生きていくのか、会社を立ち上げよう、小規模でも事業を立ち上げようといったときにどこから話をつけていかなくちゃいけないのか。
子どもたちに言葉にして伝えることも私は時々やるのですが、せめてそうした姿を見せてあげたいなと思いました。
例えば、今回の塾長先生も、立ち上げ前に事業計画を誰かに見てもらっていれば、リスクを事前に把握できたはずです。
また、月謝5000円で何人の生徒が必要か、家賃や光熱費を含めた固定費はいくらか、損益分岐点は何人かを計算する。
これは中学生の数学でもできる基本的な計算なのです。
勉強ができることは、当然武器になる力になると思っています。
ですが、それをいかに活用して自分の事業に結びつけていくのか、仕事に結びつけていくのか、最終的には生きる力に変換していくのか。
この部分をやはりしっかりと考えなくちゃいけないのだと思います。
5. 保護者の皆さんへのお願い
最終的に子どもたちの幸せというのは大人になってどのような生き方をするかだと思うのです。
保護者の皆さんも、なぜその仕事を選んだのか、どんな苦労があるのか、どんな喜びがあるのかを、お子さんに具体的に話してあげてください。
大人の働く姿を身近に感じることで、将来への意識が変わります。
そして、テストで悪い点を取ったとき、「なんで間違えたの?」ではなく「どうすれば次は正解できるかな?」と問いかけてみてください。失敗を分析し、次につなげる思考パターンを身につけることが重要です。
この点は長年強く意識している問題で、先日、そんな「生きる力」を子供たちに伝えるhappy education lab.というのを立ち上げ、HPが稼働し始めました。
興味がある方は下のボタンからそちらものぞいてください。
今回の出来事は残念でしたが、私たち教育者にとって大切な気づきをもらいました。
保護者の皆さんとも定期的に面談を重ね、お子さんの将来について一緒に考える時間を作っていきたいと思います。
家庭と塾が連携して、子供たちの「生きる力」を育てていく。そのためのhappy education lab.ですから、これからも全力で取り組んでいきます。
本気で勉強する場所が欲しいという人は、この画像をタップしてくださいね👇

進学空間Move塾長
宮脇慎也(Shinya Miyawaki)
27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。
8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。
その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。
1977年生。射手座。B型。
家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。
コメントをお書きください