「家で勉強しない」は問題じゃない──メリハリのある生活が育てる、本当の学力

目次

「うちの子、家で全然勉強しないんです」

「リビングで勉強している姿を見たことがない」

「もっと家でも勉強させないといけないんじゃないか」

そんなお悩み、ありませんか?

保護者の方とお話ししていると、この「家で勉強しない問題」は本当によく出てくるテーマです。お子さんのことを思えばこそ、もっと頑張ってほしいと思う。その気持ち、すごくよくわかります。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。 塾で長年子どもたちを見てきて感じることがあります。

成績が伸びる子のご家庭には、ある共通点がある。 それは、家を「勉強の場」ではなく、「回復の場」にしているということ。

今日は、そのお話をさせていただこうと思います。

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

1. 「家で勉強しない」は本当に問題なのか?

お子さんは、1日のうちどれくらいの時間を学校や塾で過ごしていますか?

朝から夕方まで学校で勉強し、その後塾に来て、また勉強する。そんな生活を送っている子も多いのではないでしょうか。その上、家に帰ってからも勉強する。それって、お子さんにとって本当に良いことでしょうか?

実は、私がこれまで見てきた中で、成績が大きく伸びた子たちの多くは、家ではあまり勉強していないんです。むしろ、家ではしっかりとリラックスして、エネルギーを補充している。そんな子たちの方が、結果的に成績が伸びていくんですよ。

ここで言う「エネルギー」というのは、単なるやる気だけのことではありません。心の安定や自己肯定感、「自分は大丈夫」という安心感。それから、家族に見守られているという実感。こういったものすべてが、子どもたちのエネルギーになるんです。

考えてみてください。ずっと緊張し続けていたら、心も体も疲れ果ててしまいますよね。勉強も同じなんです。ずっと勉強し続けていたら、集中力も落ちるし、効率も悪くなる。場合によっては、勉強そのものが嫌になってしまうこともあります。

でも、しっかりと休む時間があれば、また次の日、元気に学校や塾で頑張れる。その繰り返しが、結果的に大きな成果につながっていくんです。

2. メリハリのある生活が育てる、本当の学力

成績が伸びる子の生活には、明確なメリハリがあります。

学校や塾では、集中して勉強する。家では、ゆっくりとリラックスして、家族との時間を楽しむ。自分の好きなことをする時間を取る。

この「ここは頑張る場所」「ここは休む場所」という切り替えが、しっかりとできているんですね。

実は、Moveでは保護者の方にこうお伝えしています。「おうちで基本的に勉強しなくてもいいですよ」と。その代わり、Moveに毎日来て、ここで集中して勉強する。そこで一生懸命やったら、お家ではゆっくりしてください。

ご家族で団らんを楽しんだり、テレビを見たり、食事を楽しんだり。ベッドの上でごろごろしたり、自分の好きな趣味の時間を取ったり。そういうふうにしっかりと心のエネルギーを補充して、次の日、また元気に学校や塾で頑張れるようにしてもらえたら、それが一番嬉しいんです。

実際に、こんな例があります。

ある生徒の話なんですが、以前は家でも夜遅くまで勉強していたんですね。お母さんも「頑張っているな」と思っていたそうです。でも、成績はなかなか伸びなかった。そこで思い切って、家では勉強をやめてもらったんです。その代わり、塾には毎日来て、ここで集中してやる。

すると驚くべきことに、むしろ成績が上がったんですよ。

「まさか、勉強時間を減らして成績が上がるなんて」とお母さんも驚いていました。この循環がうまくいっていないと、家でもゆっくりすることができなくて、追われるように勉強している。そうすると、実はどんどん効率が悪くなって、場合によっては逆効果になることがあるんですね。

3. おうちの役割は「心のエネルギーを補充する場所」

成績が伸びている子のご家庭では、おうちが「心のエネルギーを補充する場所」になっているんです。

子どもたちにとって、1日の生活の中心は学校、そして夕方には塾がある子も多いでしょう。学校や塾では、勉強を頑張ったり、人間関係の中でいろんなことを学びながら集団生活を送っています。

そこで元気に活動するためには、やはりおうちで心のエネルギーを貯める、元気を回復する。その役割がご家庭で果たされているのが一番良いなと感じています。このエネルギーというのは、目に見えないけれど、とても大切なものなんです。

「今日も頑張った自分」を認めてもらえる安心感。 「ここにいていいんだ」という居場所の感覚。 「失敗しても大丈夫」という心の余裕。

こういったものが、おうちで充電されることで、また明日、新しいことに挑戦する勇気が湧いてくるんですね。

要するに、学校や塾、そしておうちと考えた場合、それぞれの役割の違いをしっかり意識することが大切なんです。

学校や塾は「頑張る場所」。おうちは「休む場所」「心のエネルギーを補充する場所」。この役割分担がしっかりできていると、お子さんは無理なく、でも確実に成長していくんです。

では、保護者の方には何ができるでしょうか。

まず、お子さんが家で勉強していなくても、不安に思わないでください。「もっと勉強させないと」と焦る必要はありません。むしろ、お子さんが家でリラックスできる環境を作ってあげてください。

家族で楽しく食事をしたり、テレビを見たり、おしゃべりをしたり。そういう時間が、お子さんの心のエネルギーを補充するんです。

そして、お子さんが塾で頑張ってきたことを認めてあげてください。「今日も頑張ったね」と声をかけてあげる。それだけで、お子さんは「頑張ったことが認められた」と感じて、また次の日も頑張ろうと思えるんです。

Moveに預けてくださった以上、Moveを信用して、そして何よりお子さんを信じて、おうちではしっかりとエネルギーを蓄えさせてあげてください。そのバトンリレーが、お子さんの学力を最も確実に伸ばしていきます。

4. メリハリのある生活が、未来の力になる

そしてね、このメリハリのある生活が身につけば、高校でも大学でも、自分で学べる力になります。

「ここは頑張る場所」「ここは休む場所」と自分で切り替えられる力は、これからの長い人生でずっと役に立つはずです。お子さんが大人になったとき、仕事でもプライベートでも、このメリハリがしっかりとできている人は、無理なく、でも確実に成果を出していけるんです。

だから、今のうちにこの生活リズムを身につけさせてあげることが、お子さんの未来への大きな贈り物になると思います。

「家で勉強しない」は、実は問題じゃない。むしろ、メリハリのある生活が、本当の学力を育てる。

そう思っていただけたら、保護者の方も少し楽になれるのではないでしょうか。お子さんを信じて、見守ってあげてください。その見守りが、お子さんの力を最も確実に伸ばしていくんです。

よろしくお願いします。


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。