目次

1. 学問的興味の変遷
こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。
4回シリーズでお届けしてきたK君インタビューの最終回です。
これまで海外進学への想い、附属高校での充実した生活、そして驚異的な英語力の秘密についてお伝えしてきました。
今回は、K君の学問的興味の変遷と、附属を目指す後輩たちへの心のこもったメッセージをお届けします。
実は3年前、K君が当塾を卒業するときには量子力学について熱く語っていました。
量子力学を学びたい、と。
ところが現在の彼の興味は別のところにあるようです。
一人の生徒の知的な成長過程を垣間見る、興味深いお話になりました。
2. 量子力学から哲学への深化
「3年前、ここを卒業するときは、量子力学を熱く語ってましたが、今その学問的興味はどこにあるのですか?」と聞いてみました。
「哲学ですね」という即答が返ってきました。
そしてK君はこう続けます。
「なんていうんですかね。僕は理解することとか、納得することとかに、結構な喜びと快感を感じる人でして。
だから量子力学とかは、その身の回りの出来事をどんどん突き詰めていったら、行き着くところじゃないですか。
それをもっと突き詰めたら、哲学に。
そのものが、全ての学問は突き詰めたら哲学に行き着くと今は思ってて、特に形而上学とかに行き着くと思ってて」
これは実に深い洞察ですね。
量子力学という具体的な学問から、より根源的な哲学へと興味が移っていく過程は、知的成熟の表れだと感じます。
彼はさらに続けます。
「やっぱ自分の興味に従っていけば、たどり着いたところが、もうその3年間で」
一方で、物理学への興味が薄れた背景には現実的な理由もありました。
「物理も、やっぱ計算が遅いんで、物理とかも、授業はもうめっちゃ楽しいんですけど、理解はできるんですけど、テストで問題解き始めると時間が足りなくて。
点数が良くないっていうのも多少は影響したとは思いますけど、やっぱり哲学的なことにどんどん興味を持つようになって、本とかも読んで」
理解力はあるが計算スピードがついていかない。
これも附属高校の自由な環境だからこそ、自分の適性を冷静に判断できているのでしょう。
3. アメリカ大学進学への具体的な道筋
現在のK君は、アメリカンドリームという団体を通じてアメリカの大学進学を準備中です。
「申し込んで、合格してから、もう渡航するまでずっとプログラムがあります。
結構、入学するだけじゃなくて、海外の大学を卒業するための、日本と海外の大学の違いとか、こういうことをやるんだよっていうのを、長期的に教わるプログラムで、出願の手伝いとかもそれで同時並行でしてもらう」
非常に手厚いサポート体制ですね。大学は既に決まっているのでしょうか。
「出願した後に、大学から奨学金付きのオファーが何校かから来て、その中から選ぶっていう感じです」
経済面での心配もクリアしているようですが、卒業までの道のりについても現実的に考えています。
「高校卒業して3月で高校卒業して半年間ぐらいは何者でもない時期が続いて、英語力を高めて、お金も貯めて、ほどよく遊んで」
この半年間も無駄にせず、しっかりと準備期間として活用する計画です。
4. 将来への展望
アメリカの大学では哲学を専攻する予定のK君。将来の夢について聞いてみました。
「一番やりたいのはやっぱり教授とかですかね。
ずっとアカデミックの世界に生きていけるのが一番幸せだとは思ってます。
でもそれが叶わなくても、アメリカの大学を卒業すれば結構なところに就職できるので、それを目指しつつ、諦めるときは諦めて、諦める時、諦めても大丈夫なような進路をとっていくつもりではあります」
現実的でありながらも、しっかりと夢を持っている姿勢が素晴らしいですね。
日本への貢献についても聞いてみました。
「直接的には別に何か日本の財務省にとかは全然ないですけど、でも、海外で日本人が優れた功績を収めていれば、日本の知名度とかは上がると思いますし、そういう形で貢献できるぐらいの、日本人がすごい功績を上げたら、素晴らしいなと思います」
グローバルな視点での貢献という考え方は、現代的で説得力がありますね。
5. 附属を目指す後輩たちへのメッセージ
最後に、現在附属を目指している後輩たちへのメッセージをお願いしました。
まず、当塾での学習について。
「やっぱりずっと言ってるように、高1・高2では勉強習慣がなくなったので、やっぱりこのムーヴは、中3のときはもうめっちゃ勉強してたと思うんですけど、ムーヴはすごいいい環境だと思います。
自分の勉強の習慣が身につくという意味では良い環境なので、身についた習慣を手放さないようにして欲しい」
これは私としても嬉しい言葉です。
そして附属高校の魅力についても語ってくれました。
「附属、楽しんで、ぜひぜひ附属に来て欲しい。
私立と比べて学費もね、安いんで、あと公立と併願できるんで、とりあえず受けるだけでも受けてほしい」
さらに具体的なアドバイスも。
「公立高校入試とはすごい違う入試形態で、難しい問題がバンバン出て、6割あれば受かるんですよ。
そういうちょっと違う問題とかに触れてみるのも面白いんじゃないかなと。
僕は過去問を解き始めたときはすごい楽しくて、こういうのもあるんだなみたいな、もう本当に純粋に学力、思考力を試されてる感があって、そういうのに触れてみるのは楽しいと思うんで、受けて、受かったら来てください」
現在中3で5人ぐらいが附属を目指していますが、K君のこの言葉は彼らにとって大きな励みになるでしょう。
6. 4回シリーズを終えて
4回にわたってお届けしたK君のインタビュー、いかがでしたでしょうか。
海外進学への想いから始まり、戦略的な高校選択、驚異的な英語力の秘密、そして哲学への知的な深化まで、一人の優秀な生徒の成長過程を詳しく追うことができました。
保護者の皆さんにとって最も参考になるのは、K君の一貫した姿勢だと思います。
中学時代から自分に必要な環境を見極め、計画を立て、そしてそれを着実に実行に移していく力。これこそが、偏差値という数字を超えた真の学力なのだと感じます。
そして何より、当塾で身につけた学習習慣や「英語を英語のまま理解する」という学習法を、高校生になった今でも大切に実践し続けていることを知って、教育者として大きな喜びを感じています。
K君のようなアメリカ進学は誰にでも可能なわけではありませんが、彼の考え方や取り組み方は、どんな進路を選ぶお子さんにも参考になるはずです。
自分で考え、計画し、実行する。そんな力を育てることこそが、私たち大人の役割なのだと改めて感じさせられました。

進学空間Move塾長
宮脇慎也(Shinya Miyawaki)
27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。
8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。
その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。
1977年生。射手座。B型。
家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。
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