目次

1. 漢字が覚えられない悩みへの解決策
こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。
漢字がどうしても覚えられないと悩んでいる小学生の子は多いのではないでしょうか。
そんな方へ、効果的な学習方法をご紹介します。
漢字や言葉の記憶に苦手意識を持っている小学生の子には、小学校高学年から中学生の段階で「漢字検定」に取り組むことをお勧めしています。
最近は英語検定(英検)が注目されることも多いですが、小学校高学年から中学校1・2年生にとっては、まず漢字検定に挑戦して欲しい。
漢字検定は単に漢字の読み書きだけを評価するものではありません。
書き順の問題、部首の問題、対義語・類義語・同訓異義語・同音異義語・漢字の成り立ちなどの問題、さらには四字熟語や熟語の構成に関する問題など、言葉の周辺知識について幅広く問われます。
こうした知識を身につけながら漢字や言葉を覚えていくことが、非常に効果的なのです。
2. 部首から理解する漢字の世界
特に部首の知識は、漢字学習において非常に役立ちます。
ご存知の通り、部首は言葉の意味を表す重要な要素です。
例えば、「艹(くさかんむり)」は草を表し、「刂(りっとう)」は刀を表します。「广(まだれ)」は家を表し、「里(こざとへん)」や「邑(おおざと)」は人が住む場所や集落を表します。
そして、いわゆる形成文字であれば、意味を表す部首と音読みを表す作りの部分に別れます。
このような言葉の成り立ちに関する知識を持って漢字や言葉を眺めてみると、その漢字がなぜそのような形になっているのか、どのような由来から生まれたのかが見えてきます。
そうした背景知識を持って新しい漢字を覚えていくと、既に習得した知識と関連付けて効率的に覚えられるようになるのです。

3. 音読みを活用した関連漢字の記憶法
具体例を挙げてみましょう。「青」という字は音読みで「セイ」「ショウ」と読みますが、この「青」に様々な部首を付け替えるだけで、同じ「セイ」と読む多くの漢字が覚えられます。
- 青(あお)- 基本形
- 清(きよい)- 氵(さんずい)+ 青
- 情(じょう)- 忄(りっしんべん)+ 青
- 晴(はれる)- 日 + 青
- 静(しずか)- 争 + 青
- 精(せい)- 米 + 青
同様に「交」というつくりを基に、部首を変えることでも様々な漢字が生まれます。
- 交(まじわる)- 基本形
- 校(こう)- 木 + 交
- 効(こう)- 力 + 交
- 較(くらべる)- 車 + 交
- 絞(しぼる)- 糸 + 交
- 郊(こうがい)- 邑 + 交
このように、基本となるつくりや部首を変えるだけで様々な意味を持つ漢字が生まれることを理解すると、効率的に多くの漢字を覚えることができます。
4. 英単語学習にも通じる記憶の原則
この考え方は、中学生・高校生にとって重要な英単語学習にも応用できます。
よく言われることですが、接頭語や接尾語をしっかり理解していれば、1つの英単語から多くの関連語彙が覚えられます。
例えば「port(運ぶ)」という基本単語から、import(輸入する)、export(輸出する)、transport(輸送する)、report(報告する)、support(支援する)など多くの単語が派生しています。
何かが覚えられないという場合、それは他の知識と結びつけて考えられていないケースがほとんどです。
漢字の場合は部首や音読み・訓読みなどの知識、英単語であれば接頭語や接尾語などの知識と組み合わせて、有機的に覚えていくことが効果的です。
そして最も大切なのは、そうした基礎知識を軽視せずにきちんと学んでいくことです。
皆さんの学習にお役立ていただければ幸いです。

進学空間Move塾長
宮脇慎也(Shinya Miyawaki)
27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。
8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。
その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。
1977年生。射手座。B型。
家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。
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