目次
1. 多くの保護者が抱える共通の悩み
2. 厳しい現実:声かけだけでは解決しない
3. 環境づくりこそが保護者の役割
4. 勉強する人たちとの繋がりが鍵
1. 多くの保護者が抱える共通の悩み
こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。
今回は中学生の保護者の方からいただいた「子供が勉強しない時の声かけはどうしたらいいのか」という質問にお答えします。
この問題に対して思い出すのは半年ほど前のことです。
私は、息子の中学校の保護者懇談会に参加したのですが、その時に隣の席の保護者の方が「うちの子、家で全然勉強しないのです。どういう声かけをしたらいいのでしょうか」と学校の先生に相談されていました。
私が答える場ではないため黙っていましたが、学校の先生はなんとか頑張って答えていらっしゃいましたね。
また別の保護者の方からお聞きしたところ、この質問は同じ日の別のクラスでも出ており、多くの家庭で共通する悩みであることを実感しました。
興味深かったのは、別のクラスでこの質問が出た際、そこにいたMove(ムーブ)の保護者の方々が互いに目配せして「あ、それはね」という表情をされたということです。
つまり、Moveの保護者の方にはこの問題に対する答えがある程度共有されているということでもあります。
2. 厳しい現実:声かけだけでは解決しない
では、そのMoveの保護者の方に共有されている答えとは何か。
それは、中学生に対して「何を言っても無駄」という現実です。
これは見も蓋もない話かもしれませんが、事実として受け入れる必要があります。
中学生になれば、もう自分の意志で行動を決定できる年齢です。
女の子なら早ければ小学4・5年生、男の子でも中学1・2年生頃には反抗期が始まっています。
たとえ反抗期らしい反抗期がなかったとしても、親が「勉強しなさい」と言ったからといって「分かった、勉強するよ」と素直に応じることは、まずありません。
私自身の中学時代を振り返っても、母に「勉強しなさい」と言われて「うん、分かった。勉強するよ」と答えた記憶は全くありません。
むしろ、言われれば言われるほどやる気が下がっていくのが普通ではないでしょうか。
これは多くの方が共感できる感覚だと思います。
ところが、いざ自分が保護者の立場になると、ついつい口出しをしたくなってしまう。
この気持ちも理解できますが、残念ながら子供は子供の意志でしか動かないという原則を理解することが大切です。
3. 環境づくりこそが保護者の役割
それでは、どうすればよいのでしょうか。
中学生になれば、子供の相談に乗ることはあっても、強制的な命令は思い通りにいかないという認識を持つことが重要です。
保護者ができることは、本人がその気になる環境を用意することだけなのです。
子供が勉強しないのは、勉強そのものが嫌いということよりも、その気になるだけの環境が準備されていないことの方が多い。
勉強したくなくなるような環境の中にいるのに「うちの子は勉強しない」と心配するのは、正直的外れと言わざるを得ません。
ここで言う「環境」とは、勉強部屋や机、本棚といった物理的なものではありません。
もちろん、それらを揃えることも素晴らしいことですが、私が言う環境とは「人」のことです。
一緒に勉強する人がいる、教えてくれる人がいる、そういった人との繋がりこそが重要なのです。

4. 勉強する人たちとの繋がりが鍵
くり返しますが、勉強しようとする人たちの中に自分がいるかどうか、勉強しようとする人と繋がっているかどうかが決定的に重要です。
これが塾である必要はありません。
公民館の自習室、学校の勉強スペース、図書館など、勉強する人たちが集まる場所であれば十分です。
進学空間Moveでも、勉強しようとする子が集まって勉強する雰囲気が作られていることが、最も価値のある部分だと考えています。
そういう環境の中にいれば、比較的勉強しやすくなることを、通っている生徒たちが実証してくれています。
その意味で、もし家庭で勉強させたいとお考えであれば、保護者の方自身が新しいことに取り組み、勉強している姿を見せることです。
家族全体が勉強する空間、勉強する雰囲気を作ることができれば、自然と子供も勉強に向かうでしょう。
最後に、ご自身の中学生時代を思い出してみてください。
口で言われても無駄だったはずです。
まずは、お子さんが勉強できる場所、勉強しようとする人との繋がりを見つけてあげることから始めてみてください。
きっと、お子さんの学力向上につながるはずです。
本気で勉強する場所が欲しいという人は、この画像をタップしてくださいね👇

進学空間Move塾長
宮脇慎也(Shinya Miyawaki)
27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。
8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。
その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。
1977年生。射手座。B型。
家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。
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