中高生の心理を理解する~マズローの五段階欲求から見えてくる学習環境の大切さ~

目次

1. マズローの五段階欲求と中高生の現実

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

 

塾で生徒たちと向き合う中で、心理学の理論が現実と重なって見える瞬間があります。

 

今日は、マズローの五段階欲求説を通して、中高生の心理状態について考えてみたいと思います。

 

マズローの五段階欲求説をご存知でしょうか。

 

人間の欲求を階段状に5つの段階に分けた理論です。

 

一番下から「生理的欲求」「安全の欲求」「愛と所属の欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」となっており、下の欲求が満たされないと上の欲求を求めることができないというのが核心です。

 

では、私たちが日々接している中高生は、この階段のどこに位置するのでしょうか。

 

日本で普通に暮らしている限り、生理的欲求や安全の欲求はほぼクリアされています。

 

中高生のほとんどが「愛と所属の欲求」や「承認欲求」の段階にいるのです。

 

そんな彼らに対して、私たちは将来の夢や志望校を設定させ、自己実現を目指すよう求めます。

 

これが受験勉強で多くの生徒が苦労する理由の一つかもしれません。

2. 学習の前に満たされるべきもの

とは言え、本日お伝えしたいのはそのことではありません。

 

私が本当に心配しているのは、承認欲求や自己実現のために勉強に向き合おうとしても、「愛と所属の欲求」が満たされないとそれどころではなくなるということです。

 

毎年数人出会います。

 

勉強に向き合う意欲はあるのに、学校で辛い立場に置かれたり、クラスに馴染めなかったり、家族の問題が心に重くのしかかっていたりして、どうしても集中できない状況が続く生徒に。

 

 

私が知らないだけで、短期的にその状態に陥る生徒はもっと多いと思っています。

 

愛と所属の欲求が崩れているのに、その不安を押し殺して勉強に打ち込むなんて、そりゃあ無理があります。

 

辛いに決まっているじゃないですか。

 

普通無理でしょう。

 

塾講師を10年以上やっていますが、私の力でこの問題を根本的に解決できたことがありません。基本的に塾の外で起きていることが原因だからです。

 

私にできることは限られています。

 

その生徒を心配したり、話を聞いたり、相談に乗ったり、場合によっては知らないふりをしたりすることです。

3. 安心して学べる環境づくりの重要性

そして、もう一つ大切な役割が私たち塾にはあります。

 

所属する生徒全員にとって「安心して」勉強できる場を保つことです。

 

もともとMoveは「本気で頑張りたい生徒のために、それを可能にする空間を提供する」ことを自任していますが、少なくとも塾の中では全員が安心して勉強できる場でありたいと願っています。

 

10代の1年間は貴重です。

 

少ない時間で大きく成長できる時期に、そんなことで頑張る機会を逃すなんてもったいないし、無理がある状況でそれでも頑張ろうとする生徒を見ると心が痛みます。

 

ですから、学校の授業を妨害している生徒や、いじめを働くような生徒はMoveに入塾禁止です。

 

正直、邪魔です。

 

とにかく真面目にきちんとやろうとしている生徒が安心して頑張れる場を絶対的に維持したい。

 

そう思っています。

 

だから、それぞれの生徒に色々なことがあるとは思うのですが、どうかMoveにいる間は安心して勉強に打ち込んで欲しいのです。

 

それが本当に無理な時は無理しなくていいから。

 

全ての塾生にとって少しでも安心できる場でありたいと思うのです。

 

本気で勉強する場所が欲しいという人は、この画像をタップしてくださいね👇


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。