目次
1. 自学自習を支えるモチベーションの重要性
こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。
今日は、子どもたちの学習において最も重要な要素の一つである「モチベーション」について考えていきたいと思います。
私たちの塾は個別演習型と呼んでいますが、自学自習をベースとした学習指導を行っています。
一斉指導や個別指導で補助はするものの、最終的には生徒自身が主体的に学習に取り組むことを大切にしているのです。
そのため、子どもたちのモチベーションを高めていくことが非常に重要になってきます。
やる気のない子に対して「やればいいよね、場所を与えてあげるよ」と言っても、結局はやらないものです。
特に小学校高学年から反抗期を迎えた頃からは、大人が何を言っても子どもたちが嫌だと感じたり、やりたくないと思えば、もうてこでも動かないという状況が生まれるのは当然のことです。
だからこそ、モチベーションのあり方というものがとても大切になってくるのです。
2. フィアベースからラブベースへ~持続可能なやる気の作り方~
さて、私たちがモチベーション向上において基本原則としているのは、心理学で言うところの「ラブベース」のモチベーションです。
これは「やりたいからやる」「好きだからやる」という動機のことを指します。
この反対が「フィアベース」のモチベーションです。
フィア、つまり恐怖をベースとした動機付けで、実は多くの方が実践されています。
「成績を上げないと大変なことになるよ」「学歴をつけないと社会で通用しないよ」といった、「なんとかしないとこんな大変なことになってしまうよ」という動機の付け方がそれに当たります。
フィアベースのモチベーションは確かに非常に強力で、効果も抜群です。
誰もが大人になって社会に出た時に大変な思いはしたくないと考えるため、それを避けるために必死に頑張るというのはよくあることです。
しかし、このフィアベースには大きな欠点があります。
それは長く続かないということ、そして目標を達成すると途端にやる気を失ってしまうということです。
例えば高校入試で「良い高校に行かないと大変なことになる」という恐怖から勉強を頑張った子が、高校に入った瞬間に勉強しなくなってしまう。
「一体何のために中学時代あんなに頑張ったのだろう」という状況になりかねません。
この傾向は中学入試においてより顕著に現れます。
「お母さんに怒られるから」という理由で、大好きな遊びややりたいことを全て我慢してきた子たちが、中学に合格してお母さんが満足したのを見て、自分の勉強を辞めてしまう。
このようなことが実際に起こっているのです。

3. 質問を重ねて子どもの本音を引き出す
それでは、長続きする学習習慣を築くために、どのようにラブベース、つまり「自分がやりたいから勉強する」という気持ちを育てていけばよいのでしょうか。
基本的には、質問を重ねていくという手法を採用しています。
子どもたちの一番の問題は、自分が何をしたいかわからないということです。
これを私たち大人が一方的にたくさん与えたところで、結局それは自分で決めたことにはなりません。
やはり「親が言ったから」「塾の先生が言ったから」という他者依存の動機になってしまうのです。
そこで重要になるのが、「自分は何が好きなのだろう」ということを私たちが問いかけることです。
いろんな角度から問いかけて、焦ることなく待ち続ける。
そして最終的に子どもたちの口から「こういうことがしたい」「ああいうことがしたい」と素直に言えるような導きを心がけています。
大人が押し付けるのではなく、子どもたちの素直な気持ちを質問で引き出してあげる。
もちろんその時に大人の判断が入ることもあります。
例えば「役者になりたい」と言い出した子に対して「そんな役者なんかでは食っていけない、大変だからやめなさい」と言ってしまう大人もいるでしょう。
しかし、基本的にはすべてオールオッケーだという精神で接しています。
役者が大変だというのは、子どもたち自身がいずれ気づくことです。
それに挑戦するかどうかを子どもたち自身が自分の責任で判断することの方が大切なのです。
実際に、役者になりたいのであれば勉強が大事だということも、子どもたちが自然に気づくものです。
いろんな表現方法を学ぶ、言葉を学ぶ、感情の機微を学ぶ。
そういったことに対して学習は有効な手段だということを、彼ら自身がちゃんと理解できるのです。
4. 家庭でできる環境づくりと実践方法
この点について、私たちは子どもたちを否定せず、それぞれの道に対して高いレベルに持っていってあげられるような質問を繰り返すことを大切にしています。
子どもたちのラブベース、自分のやりたいことベースのモチベーションを引き出してあげることが、私たち塾の人間の最も重要な役割だと考えています。
また、私の話だけでは説得力に欠ける場合もあるため、時折、実際にその道で活躍している大人を招いての講演会なども開催しています。
勉強のその先にある世界を見せることで、即効性があるかどうかはわかりませんが、そういう世界を見せ続けることも大切だと思っています。
ご家庭においても、ぜひお子さんの気持ちを否定せず、やりたいことを少しずつでも良いので聞き出してあげてください。
ただし、焦ってはいけません。
「あなたは何がやりたいの?ちゃんと言いなさい」と言って、なかなか出てこないからといって急かすのではなく、出てくるのを待ち続けながら質問を重ねていくのです。
そして出てきたことに対して、子どもたちがきちんと判断できるように情報は与えながらも、子どもたち自身が考えて、大人が否定せず、それに向けてやるべきことをやる環境を提供する。そういうことを進学空間Moveでは大事にしているつもりです。
子どもたちの本当のやる気を引き出すために、ぜひ参考にしていただければと思います。
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進学空間Move塾長
宮脇慎也(Shinya Miyawaki)
27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。
8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。
その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。
1977年生。射手座。B型。
家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。
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