なぜ塾長が大学で心理学を学ぶのか──Moveが科学的根拠のある教育にこだわる理由

「あの先生の方法で成績が上がった」「この声がけで子どもが変わった」──SNSや動画でそんな話、よく見かけますよね。でもふと思いませんか? その方法って、本当に"うちの子"にも当てはまるんだろうか、って。

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

ゴールデンウィーク最終日の今日は5月6日。明日からいよいよ通常授業が再開します。生徒のみんなの元気な顔が見られるのを、本当に楽しみにしています。さて、このゴールデンウィーク中に更新したブログで、私が放送大学で心理学を学んでいることを中心にお伝えしました。今日はその「なぜ?」を、もう少しゆっくりお話しさせてもらえたらと思います。

Moveを作った確信と、ずっと残っていた問い

Moveを開校したのは今から14年前のことです。それ以前の8年間は、一斉指導の講師として何百人もの生徒たちの前に立ってきました。そのなかで、じわじわと確信するようになったことがありました。「教える」よりも「環境を整える・コーチングする」ほうが、子どもの学力は伸びやすい。

その確信を形にしたのが今のMoveです。個別演習型・自主学習重視の環境を続けてきた結果、中学3年生の平均偏差値が6年連続で60を超える集団を作ることができました。確信が数字になった、そういう手応えを感じています。

ただ、ここで満足できないのが私という人間で(笑)、「もっと精度を高くできないか、もっと再現性のある形にできないか」という問いが、ずっと頭の片隅にあり続けていたのです。

業界の発信に、ちょっと気になることがあって

一方で、少し正直な話をします。塾業界の発信に、ずっと気になってしまうことがあるのです。

これは自分自身へのおおいな反省でもあるのですが。

Instagram・Voicy・育児書などで見かける「○○するだけで子どもが変わる」系の発信、皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。発信されている方々にはそれぞれ経験と思いがあって、それぞれに価値のある言葉だと思うのです。

ただ……ほぼすべてが経験ベースなのですよね。その方の経験では当てはまる。でもすべての子に当てはまるとは限らない。なかには科学的には首をかしげてしまうものも、正直混じっていたりします。

「誰かの体験を心理学だと一般化して、みんなにお伝えする」──それは私の学問的なバックグラウンドがどうしても許さない、どうしても心苦しい。だからこそ、ちゃんとした根拠のある言葉で皆さんに語りかけたい。そう思うようになりました。

心理学を学ぶことで、Moveをもっとよくしたい

Moveはティーチングよりもコーチングを大切にしている塾です。つまり「何を教えるか」以上に、「どういう心理的な状況を作るか」が生徒の成長を左右すると考えています。だからこそ追いかけたい問いがあります。どんな環境・どんな関わり方をすれば、子どもたちは自分の内側から動き出せるのか。 誰かに言われたからやるのではなく、自分で問題集を開いてしまう、あの状態です。心理学では「内発的動機づけ」と呼ばれているものですね。

放送大学での学びは、この問いへの答えを学術のレベルで探す旅の入口です。認定心理士を経て、ゆくゆくは心理学の国家資格・公認心理師を目指しています──ハードルがかなり高い、50代での挑戦になります。そう簡単には無理です。ですが、体系的に学んだことをMoveの環境づくりやコーチングに活かして、科学的根拠のある教育を実践できる塾にしていきたい。そしてそれをご家庭にもお伝えできるようになりたいのです。

──もうひとつだけ。実は密かな夢があります。この学びと14年分の実践を、いつか一冊の本にまとめること。そんなことを思いながら、今日もテキストを開いています。

経験則を否定したいわけじゃないのです。ただ、経験則を学術で裏打ちできたとき、初めて「再現性のある教育」が生まれる。そう信じています。これからもMoveの進化を、温かく見守っていただけたら嬉しいです。


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進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。