なぜMoveは塾でのスマホ・AI活用を認めるのか?〜2つの注意点と、知性を育てる指導法〜

「うちの子、スマホばかり見て勉強しない…」

そんなお悩み、ありませんか? 多くの保護者の方が、子供のスマホ依存に頭を抱えています。だからこそ、「塾でスマホなんてとんでもない!」と思われるのも当然でしょう。

でも、ちょっと待ってください。

これからの子供たちが生きる社会では、デジタルデバイスは切っても切れない存在です。大切なのは「取り上げる」ことではなく、「賢く使いこなす力を育てる」こと。今日は、Moveがあえてスマホ・タブレット・AIの活用を認めている理由と、その際に徹底して伝えている2つの注意点についてお話しします。

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

Moveではスマホ・タブレットでの学習をOKにしています

一昔前なら、「塾に携帯持ち込み禁止」「タブレットで勉強なんてご法度」という方針が主流でした。

しかしMoveでは、中学生以上の個別演習中に限り、スマホやタブレットでGoogle検索やAIへの質問を認めています。

「え、本当に大丈夫?」「遊んでしまうんじゃない?」

そんな心配の声が聞こえてきそうです。その気持ち、本当によくわかります。

なぜデジタルデバイスを取り上げないのか

子供たちが将来働く社会は、どんな職業であれデジタルデバイスと共にあります。営業も、医療も、製造業も、すべてがデジタル化されています。

だからこそ、今から「デジタルとの上手な付き合い方」を学ぶことが必要なのです。

もちろん、目先の高校受験や大学受験を考えれば、スマホには学習面でのマイナス効果もあります。それでもなお、長期的な視点で考えたとき、デジタルデバイスを有効活用する力を身につけることが、子供たちの将来にとって重要だと考えています。

ただし——と、ここからが重要です——ただ許可するだけでは意味がありません。

Moveでは、次に挙げる2つの注意点を口酸っぱく生徒たちに伝え、正しい活用法を身につけてもらうよう指導しています。

【注意点①】お手軽に調べた情報は忘れやすい

スマホやタブレットの最大の利点は、どんな分野のことでもすぐに情報が手に入る点です。

でも実は、ここに大きな落とし穴があります。お手軽に調べた情報ほど、記憶に残りにくいのです。

目の前のプリントの空欄を埋めるだけなら、スマホは最高に効率的なツールです。でも、それを「理解して覚える」という学習の本質を考えると、むしろマイナス効果になってしまいます。

だからこそ、Moveでは調べた内容を「情報カード」に記録することを推奨しています。

そして、個別演習の中に設けた毎時間2〜5分の音読の時間で、その情報カードの内容を何度も声に出して読み上げる。こうすることで、視覚だけでなく聴覚も使って、記憶に深く刻み込んでいきます。実際、多くの生徒たちがこの方法で、調べた内容をしっかりと自分のものにしています。

勉強の目的は、知らなかったことを理解し、頭の中に記憶して、必要なときに取り出せるようにすること。

デジタルで調べっぱなしでは、この目的は達成できません。だからこそ、調べた内容こそ何度も繰り返し学び、記憶に残すことを徹底しています。

ご家庭でも、お子さんがスマホで何か調べたら、ぜひ「それ、教えて」と聞いてあげてください。人に説明することで理解が深まり、記憶にも定着します。

<成人式のために広島に戻ってきた卒塾生が顔を出してくれました>

【注意点②】批判的思考力を持ってAIと対峙する

もう一つの注意点は、特にAIを使う場合に重要になります。それは、批判的思考力を持ってAIと対峙するということです。

現在のAIは驚くほど高度になりました。数ヶ月経つだけで、また全く違った機能が追加され、精度も向上しています。その意味で、AIは現段階ですでにとても優れた学習ツールです。

しかし、AIは時に嘘をついたり、都合の良い辻褄合わせをすることがあります。

だからこそ、AIから返ってきた答えを鵜呑みにせず、自分なりに吟味して理解しようとする態度が必須なのです。

「これ、本当に正しいのかな?」「なんか変じゃない?」

そんな疑問を持ったら、遠慮なくAIに再質問してみてください。すると、結構な確率で「申し訳ございません。私が間違えていました」という回答が返ってきます。

こうしたAIの嘘を見抜き、納得するまで調べ直し、自分の中で腹落ちしてから記憶していく。この一連のプロセスこそが、知性的な学習者に必要な力です。

Moveでは、この「批判的に受け止め、納得したら自分の知識として取り入れる」という姿勢を、日々の学習を通じて育てています。

もし今の段階でこの批判的思考に自信がないという場合は、焦る必要はありません。まずは紙の辞書や教科書で調べる方法から始めましょう。そして少しずつ、AIとの対話を通じて、この力を養っていけばいいのです。

Moveの役割は、生徒たちがその力を身につけられるよう、丁寧にサポートしていくことです。

真に知性のある学習者・社会人を育てるために

Moveでは、子供たちから社会生活に必須のデジタルデバイスを取り上げるような指導はしていません。

その代わりに、次の2つを徹底して指導しています:

  1. 調べた内容を記憶に定着させる工夫(情報カード×音読)
  2. AIの嘘を見抜く批判的思考力(納得するまで吟味する姿勢)

この2つが揃って初めて、デジタルデバイスは真の学習ツールになります。

そして、こうした使い方や考え方をきちんと身につけることが、真に知性のある学習者、社会人を育てる教育だと考えています。

保護者の皆様へ:お子さんのデジタルデバイス活用を、ぜひ温かく見守ってあげてください。

頭ごなしに禁止するのではなく、「賢く使う力」を一緒に育てていく。そんな姿勢が、これからの時代を生き抜く子供たちにとって、何よりの支えになるはずです。

皆様はどのようにお考えでしょうか。ぜひご参考にしてください。

本日のブログをラジオ風音声にまとめました。(12分)


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。