ある中3生の卒塾

卒塾の時期です

年も明けると、高校3生や中3生で一足早く志望校への合格を決めて、3月を待たずに卒塾する生徒がいます。

 

本日も、塾を卒業していく中3生の女の子が一人。

今日は、エールを込めてその子の話。

 

 

静かな上昇

 

その女の子は、中1の最初からMoveに在籍してくれていました。

 

けどね、本人の許可が取れているから書いてしまうけど、最初は実に勉強が苦手だった。

 

公立上位校進学専門の個別演習塾では、成果が出にくいタイプの生徒だったと言えるでしょう。

 

 

事実、中1の頃の模試は偏差値43からスタート。

 

そして、次の模試では44になるくらい。

ほぼ横ばいです。何も変わりません。

次の模試では46になって、次の模試でも46で、次の模試は47。

 

 

そのあたりでようやく「おや?」と思うようになりました。 

確かに成績がいいわけでも、急上昇しているわけでもないのだけど、下がってもいない。

 

むしろ着実に成績が上昇している。 

これはこれで珍しい。

 

成績が上がる時は、長く続く「成績が上がらない期間」の後に、「ギュイーンと急上昇する時期(ブレイクスルー)」を迎えるのが一般的ですが、この子には当てはまらない。

 

本当にコツコツコツコツ、成績を上げ続けていく。

 

 

中2になってもそれは変わりません。

 

コツコツコツコツ成績を静かに上げ続けて、とうとう偏差値50を超え、そこからバーンと急上昇するかと思ったら、やっぱりしない。

静かに、でも着実に成績を伸ばし続けるのです。

これが中3の最後まで続いたのです。

 

 

これは本当に珍しい。

多くの子は上がったり下がったりを繰り返しながら、上がっていくものです。

 

これはきっと性分でしょうね。

 

皆さんのご想像の通り、(少なくとも塾では)おとなしい真面目な女の子。

塾で目立った言動をとることはありません。静かに周りを見ながら、微笑んでいるタイプの女の子。

 

 

しかし、静かに続けた努力は着実に実を結び、そうやって中3の時にたどり着いたのは、なんと内申点オール4.7。(平均で4.7という意味です)

 

定期テストで5科目合計が450に届かなかったと言って、悔しがるレベル。

 

 

 

中1の時とは雲泥の差です。

コツコツ成績を上げ続けて、とうとうここまで登ってきてくれました。

 

多くの子のお手本になる軌跡を描いてくれたと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

新しい挑戦

 

でもね、話がここで終わらないのが、彼女のすごいところ。

 

そうやって、塾で着実な努力を重ねる一方で、学校では彼女はある部活の部長を務めていたのです。

 

 

いやあ、きっといい部長だったでしょうね。

 

想像だけど、声を荒げることなく、静かにその態度と優しさと真摯な努力で、みんなの信頼を集めていたんじゃないかな?

 

  

そして、彼女が選んだ進路は、その部活動における名門私立高校への進学。

しかも、県外。 

もちろん合格したら、寮での一人暮らしが待っています。

 

大きな決断です。

 

いやあ、もう全力で応援したい。

 

元々僕は、子どもたちに一度は広島の外に出て、活躍のステージや視野を広げてほしいと願う人間。

大学入学時に外に出る子も多いけど、高校から出るのならそれがいいですね。

 

一時はコロナのために県外に出ることをためらったこともあったけど、新しい場所で次の挑戦を決断しました。

 

部活の推薦入試となるため、秋頃は受験勉強と部活の練習の両方をこなしていました。

それも大変だったでしょう。

 

そして、今週末にその推薦入試が行われるのです。 

だから、今日で卒塾。 

 

おそらく問題なく合格するでしょう。

中学時代に静かに勉強に打ち込み、部活に打ち込み、その両方で成果を上げてきた彼女です。

評価している人も多いはず。

不安は何もありません。

 

そして、その合格は彼女にとっての新しいステージの幕開けでもあるのです。

 

素敵な高校生活を過ごしてほしいと願っています。

 

 

 

今日の授業後にあまり話ができなかったので、最後に私信を添えておきます。

 

Uさんへ

今日の授業中にも言ったけど、

勉強に対して努力した時期があると言うのは大変幸せなこと。

 

しかも、それが実を結ぶ成功体験を積み上げることができたのは、最高に幸せなことの一つ。

 

だって、次に繋がるから。

 

努力の仕方というのは、実際に努力した人でないと分からない。

 

先生に手取り足取り教えてもらったからできたというのともまた違う。

 

「勉強のやり方が分かりません」と多くの人が言うけれど、それは本気で勉強をしたことがないから。

それは、自分で試行錯誤を繰り返しながら身につけていくもの。

僕ら塾の先生が推奨する方法はその一例に過ぎない。 

 

 

自分自身の頭と手を動かして成果をあげることができたというのは、人生の財産となる。

次に努力が必要な時がきた時に、方法論が身についているのだから、それを実践すればいいということになります。

それがあるのとないのとでは、大きな差となる。

 

それが、Moveが個別演習型の塾である大きな理由の一つです。

 

僕ら大人側ができることは、極論すれば、その努力ができる環境を提供することだけ。

 

その意味で、UさんがMoveで頑張ってくれたことは、僕の幸せでもありました。

僕が君たちに望んでいたことを、あなたが体現してくれたから。

 

きっとね、あなたが中学で体験したことは、高校に進学した後も必要になる。

 

もちろんしんどいことや辛いと思うこともあるでしょう。

でも、この3年間で体験したことが、あなたの支えになると信じています。

 

この経験をさらに発展させて、頑張ってくださいね。

 

 

 

あ、そうそう。

 

勉強の伸び方なんだけどね、上の方で「コツコツコツコツ静かに伸びた」みたいなことを書いたけど、ここ1ヶ月のあなたはきっとブレイクスルーを迎えていたんじゃないかなと思うのです。

 

入試過去問の得点などを見ても、明らかに今までとレベルが違ったからね。

模試で確認することはもうできないけど、高校進学後も努力を継続して、それを実感してほしいな。

 

応援しています。

また塾に顔を出してくださいね。

 

宮脇より

 

 

 

 

 

 

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