勉強は楽しいから勉強する。心理学を学ぶ塾長の考え方

「テストで〇点取ったら、ごほうびね。」

お子さんに、こんな声かけをしたことはありませんか。

やる気を出してほしい。ただ、その一心で。

ところが心理学の世界では、この「ご褒美でやる気を出させる」やり方に、ある落とし穴が知られています。

今日は、なぜ私が塾の仕事をしながら大学で心理学を学んでいるのか。そのわけを、この話を入り口にお伝えします。

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

「心理学を学んでいます」と言うと、たいてい驚かれます

先日の塾選びのイベントで、本当にたくさんの方とお話しする機会がありました。その中で私が大学で心理学を学んでいると伝えると、多くの方が驚かれます。塾の先生が、どうして心理学を、と。

この話は、時々きちんとお伝えしておかないと、忘れられてしまいます。

「ああ、そういう立場の先生だったな」と思い出していただくために、今日は改めてお話しします。

塾の先生は、みんな自分なりの「教育論」を持っています

どんな塾の先生も、教育にとても熱心です。

毎日子どもたちと向き合い、保護者の方と話し、指導を重ねていく。

その積み重ねの中で、先生は一人ひとり、自分なりの教育論を育てていきます。

たとえば私であれば、こんなことを考えてきました。

定期テストの過去問を解かせるのは、じつは学力にとってマイナスではないか。

子どものやる気は、不安から生まれるもの(フィアベース)よりも、安心と面白さから生まれるもの(ラブベース)のほうが、健やかに続くのではないか。

そうやって、子どもがより勉強しやすい環境とは何かを、ずっと探ってきました。

これは私だけの話ではありません。

多くの塾の先生が、それぞれの現場で感じたことをもとに、自分の持論をつくり、指導に生かそうと真剣に頑張っています。

その「持論」が、子どもの勉強を静かに押し下げることがあります

ただ、ここで少し立ち止まりたいのです。

先生方の持論の中には、ときどき、首をかしげたくなるものもあります。

たとえば、こんな仕組みを見かけることがあります。

「テストで何点以上取ったら、授業料を減額します。」

「宿題や自主学習をポイントにして、貯まったら授業料が安くなります。」

子どもをやる気にさせたい。その思いから生まれた工夫だというのは、よくわかります。

けれど、心理学には「アンダーマイニング効果」という考え方があります。

褒めること以外の、お金やモノといった目に見えるご褒美でやる気を引き出すと、そのあと、勉強そのものへの興味がしぼんでいくことがある。

これは、たくさんの研究で確かめられている現象です。

つまり、ご褒美でやる気になるのは、あくまで一時的。

長い目で見ると、その子の「勉強したい気持ち」そのものを、静かに押し下げてしまうことさえあるのです。

よかれと思ってやったことが、じつは勉強にとってマイナスだった。

そんなことも、起こり得ます。

ひとつ、付け加えておきます。

ご褒美のすべてが悪いわけではありません。

大きな目標をやりきったあとの、一度きりのお祝い。

そういう区切りのご褒美は、頑張りを分かち合う温かい時間になります。

問題になるのは、点を取るたびにモノがもらえるような、勉強とご褒美がいつもセットになった仕組みのほうです。

だからMoveは、"理論の裏づけ"を持った指導をつくります

では、どうすればいいのか。

私は、塾の先生の仕事とは、理論と実践と経験を、一つに束ねることだと思っています。

現場で感じた手ごたえ。

日々の指導で試したこと。

そして、それを裏側から支える、学術的な理論。

この三つがそろってはじめて、子どもへの関わりに芯が通ります。

ところが、心理学を体系的に学んで指導に生かす塾の先生は、そう多くありません。

だからこそ、Moveがそこに飛び込もうと決めました。

もちろん私も、これまで本をたくさん読み、多くの方に教えを請うてきました。

それでも、大学で学ぶ学問はやはり違います。

一つの理論の裏には、気の遠くなるような数の研究や観察、実験が積み重なっています。

だから、たまたまうまくいった一つの成功例を、そのまま「これが正解だ」と一般化してしまうことがありません。

そうした確かな土台の上に、Moveの指導をつくっていきたいのです。

忘れられない、ある高校生のスピーチがあります

理論の話が続いたので、ここで一つ、実際にあった話をします。

うまく言葉にできるか自信がないのですが、私がこの仕事を続けている理由が、たぶんこの一場面に詰まっています。

中学3年生でMoveに入ってきた子がいました。その子が高校生になり、あるとき後輩たちの前でスピーチをする場面がありました。

彼は、後輩たちにこう語りかけたのです。

「勉強って、楽しくないですか?」

「僕はMoveに来て、勉強が楽しいと知りました。」

それを聞いて、私はすごく嬉しかった。

ご褒美でつくった一時的なやる気ではありません。彼の中から、自然にあふれ出てきた言葉でした。集中して机に向かい、わかる、できる、進む。その手ごたえを積み重ねた先で、彼は自分の言葉として「勉強は楽しい」にたどり着いたのです。

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私が大切にしたいのは、「勉強は楽しいから勉強する」ということ

だから、私の立場をはっきりお伝えします。

私が大切にしているのは、ラブベース。

勉強は楽しいから勉強する。

不安に追い立てられてではなく、面白いから、知りたいから机に向かう。

その姿を、子どもたちの中に育てたいのです。

では、「勉強は楽しい」を、どうやって伝えるのか。

私は、まず自分がやってみせようと思っています。

私がいま心理学を学んでいるのも、義務だからではありません。

純粋に、面白いからです。

大人が、楽しそうに学び続けている。

その姿こそが、子どもにとって一番の教材になると信じています。

(その延長で、2027年の10月ごろには「認定心理士」の資格取得も目指しています。)

「うちの子の場合は、どう声をかけたらいいのだろう?」

もし、そう感じられたなら、一度お話を聞かせてください。

Moveがどんな考えで子どもたちと向き合っているのか。

その根っこの部分を、これからも折にふれてお伝えします。

どうか、応援していただけたら嬉しいです。


進学空間Move塾長

宮脇慎也(Shinya Miyawaki)

27歳で広島大学社会科学研究科の博士課程後期日程を単位取得退学をし、その後学習塾の世界に飛び込む。

8年間の勤務講師としてみた広島の学習塾業界のあり方と大学院で養った知見との乖離に悩み、理想の学習塾を作るべく2013年に個別演習型の学習塾・進学空間Moveを立ち上げる。

その中で、モチベーションのあり方に着目し続ける中で、キャリア教育の重要性を認識し、キャリア教育と学習の融合を目指す。また、同時に保護者の方向けコミュニティー「Happy Education Lab.」を主催する。

1977年生。射手座。B型。

家族は妻と長男1人。趣味は広島発祥のスポーツ・エスキーテニス。

 

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