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広島県公立高校入試改革を追う③

 

令和5年度入試(2020年時点の中1生対象)から、広島県の公立高校入試が変わります。

 

このシリーズでは、その変更点などを整理し、お知らせするためのブログです。

 

第3回となる今回は「自己表現」について。

(第1回はこちら、第2回はこちら

 

全国初の取り組みであるがゆえに、分かっていないことも多いですが、現時点(2020年9月)でわかっていることを整理しておきましょう。

 

 

 

「自己表現」とは

 

公立高校受験としては全国初となる「自己表現」。

 

推薦入試(選抜Ⅰ)がなくなり、全員がこの自己表現に望むことになります。

 

基本となる配点においても、全体の約20%を占めて、内申点と同じ重みを持ちます。

 

学校の独自配点も定員の50%以下で認められていますが、この項目を0%にすることはないでしょう。

 

決して侮ってはいけません。

 

 

 

 

では、具体的にどのような制度なのでしょうか。

 

 

ここで、広島県の説明の説明を見てみましょう。


自己表現は 、「 自己を認識し、自分の人生を選択し、 表現することができる力 」が、どのくらい身に付いてい るのかをみるために実施します 。

 自分自身のこと( 得意なことやこれまで取り組んでき たことなど )や高等学校に入学した後の目標などにつ いて 、自分で選んだ言葉や方法で表現します 。

 自己表現は「 面談 」方式により行います 。礼儀作法や 話し方などのテクニックをみるものではありません 。  受検生は全員 、受検会場で「 自己表現カード 」を作成 します 。自己表現カードは 、自己表現の補助的な資料で 文章が上手く書けている 、文字数が多いなど 、自己表現 カード自体を評価することはありません 。


 

要するに、これまでの「活動についての自己アピールをする場」ということですね。

 

一人当たり5分くらいだと聞いています。(これから変更もあるかもしれませんが)

 

 

そうすると口下手な子が不利なイメージを持ちますが、そうではないことは上の文章でも、平川教育長の口からも語られています。

 

 

↓「あさイチ」に出演した平川広島県教育長。

 

そのためにトロフィーや賞状、作品の持ち込みも認められています。

 

自己表現カードを生徒自身で作成し、補助的に使用することも認められています。

 

決して口下手だから評価が低いということはないのでしょう。

 

 

 

個人的には決して嫌いな制度ではありません。

 

むしろ好きです。大好きです。

 

 

 

「自己表現」のメリット

 

では、現時点で考えられる「自己表現」のメリットを挙げてみましょう。

 

 

① 学校外の活動が評価される。

 

これにより何人かの子は救われるのではないでしょうか。

今までは、学校の先生が作成する調査書が、入試得点以外の評価基準でした。

当然、その中に記載されることは、教科の評定、出席日数、部活動の記録、学校の中での行動など、学校の先生の目が届く範囲に収まっていたでしょう。

それ以外では、英検などの検定もの、あるいは、表彰されるほどの目に見える結果を残したものだけでした。

 

ですが、そうした学校内の、あるいは目に見える活動ではなくても、その子が自信を持って表現できるものは全て評価対象と言えます。

入試においてもプラスに働くのであれば、多様な活動を後押ししてあげれますね。

 

 

 

 

 

② 中学生活で多様な活動に取り組みやすくなる

 

これは、上のことと若干重複しますが、やはり中学生活を充実したものにしやすくなるのでしょうね。

 

これまでは「内申点にビクビク」していた生徒もいたわけですが、学校外の活動もしやすく、自分の好きなことに堂々と取り組めます。

「そんなのやっても受験には何の役にも立たない」なんていう下らない理由は今後一切なくなります。

だって、どんなことであっても好きなことに一生懸命取り組んだとことが自己表現のネタになるのですから。

保護者の方も、お子さんが好きでやっていることを認めてあげることが受験にプラスになると思えば、ストレスなく応援してあげれますね。

 

 

 

「自己表現」に対する疑問点

 

しかし、正直、まだまだ分からないことも多いです。

 

今、私が疑問に思っていることは3つ。

 

 

 

① 評価の基準がさっぱり分からない。

 

例えば、自己表現の配点が20点満点だとして、何をすれば満点になるのでしょう?

何かの競技で全国大会優勝をすれば満点なのでしょうか?

フラワーフェスティバルで発表したことはどう数値化されるのでしょう?

部活を3年間頑張っただけでは10点くらいなのでしょうか?

 

生徒の活動を数値化するためには、そうした基準が必要だと思うのですが、そのあたりが曖昧なままでは結局差がつかなくなるかもしれません。

 

完全な公平は私は求めません(そんなの不可能)が、入試である以上、きちんと差がつく採点方法であってほしいと願います。

#努力し何かを成し遂げた子は正当に評価されるべき

 

 

 

 

② 表現の制限はどこまであるのか?

 

作品の持ち込みが可能であり、作品によっては物理的に持ち込むことができない作品がある以上、タブレットを持ち込んで写真を見せることで自己を表現することも可能なのでしょう。

そして、タブレットが持ち込み可なのであれば、私ならパワーポイントを使ったプレゼンを行います。

もっと言えば、動画だって作成するでしょう。

そして、その動画そのものが自分が取り組んできた作品であると主張することも可能です。

実際にそういう生徒もいるはずです。

ですが、やりすぎだとかいうクレームが入ってもおかしくない気もします。

表現方法はどこまで許されるのでしょうか?

個人的には全て認められてしかるべきと思うのですが。

 

 

 

③ 全ての活動を高校の先生は正当に評価できるのか?

 

学校の枠組みに収まらない活動をPRできるはずの自己表現ですが、多様性に富む生徒の活動をしっかり評価してもらえるのでしょうか?

そんな疑念は付きまといます。

 

例えば、いわゆる「撮り鉄」の子がYou Tubeで10万人のチャンネル登録者数をもっていたら、どうでしょうか?

10万人のチャンネル登録者数は相当なことです。(僕は30人くらいです)

その世界ではちょっとした有名人です。

一部では「神」と崇められているかもしれません。

生半可な努力では到達できません。

 

でも、それがどれほどすごいことなのか、YouTubeチャンネルを持っていない先生はイメージしてくださるでしょうか?

 

あるいは、時折いる中学生で起業して年商1000万円を売り上げる子はどうでしょうか?

「株取引」はどうでしょう?

プレゼンの中でその利益を報告したらそれは評価されるのでしょうか?

 

学校の先生だけでなく、大人の理解できない世界で活躍する中学生もいるはずです。

 

中学生らしくないという理由で評価しないということがないようにしていただきたいですね。

 

 

 

 

と以上、色々と疑問を呈しましたが、私はこの制度は賛成なのです。

 

中学生がのびのびと自分の好きなことに取り組める制度です。

 

以上のような疑問を整理して、素敵な入試制度になってもらいたいものです。

 

 

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